2006 Fiscal Year Annual Research Report
二足ロコモーションにおける周寛骨筋群の役割に関する研究
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16570195
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
岡田 守彦 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 教授 (60011615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 和隆 筑波大学, 人間総合科学研究科, 助教授 (70221041)
久野 譜也 筑波大学, 人間総合科学研究科, 助教授 (70242021)
大山 圭悟 筑波大学, 人間総合科学研究科, 講師 (80312833)
根本 悟子 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (70285055)
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Keywords | 二足性 / 骨盤 / 筋 / 筋活動 / 床反力 / 姿勢 / 歩容 / 加齢 |
Research Abstract |
本研究はヒトのhallmarkである二足性の進化の解明への示唆を得ることを目的として、現代人の歩容・姿勢と骨盤周辺に付着をもつ筋(周寛骨筋群)の形態的・機能的特性の関連を検索しようとするものである。本年度は下記の研究を行った。 1.40歳台から70歳台の男女66名を被験者として、腸腰筋における筋線維束の走向、羽状角等についての解剖体による検討結果を考慮したMRI横断画像より、大転子腸骨稜問を上下方向に十分割し、大腰筋と腸骨筋の横断面積および歩行パラメータをしらべた結果、(1)大腰筋では男性のL4レベルで、腸骨筋では男女1とも腸骨上半部において、横断面積は加齢とともに低下する傾向が見られた。(2)腸骨筋上部の横断面積と歩幅(ステップ長)の間に正相関が認められ、加齢に伴う歩容の変化に腸骨筋の萎縮が関係することが示唆された。 2.若年男性56名の生体計測と重心高計測から、重心は床面より身長比平均55.4%で仙骨の前方にあり、大腰筋起始・停止の中間、腸骨筋起始上部に位置することがわかった。 3.陸上短距離選手31名、サッカー選手20名、一般成人8名について、MRIによる大腰筋横断面積と疾走速度を計測した結果、横断面積は短距離、サッカー、一般の順に大きく、また短距離群のみにおいて疾走速度と横断面積の間に高い正相関がみとめられた。 4.腰部姿勢、歩容、下肢筋活動の相互関係を見るために、20歳台の男子被験者15名に種々の腰部姿勢・歩容条件で歩行させ、床反力、ビデオ映像、下肢筋EMGを記録した。その結果、(1)個体差、試行差が大きいものの、歩調や速度の上昇により歩幅がやや増加し、骨盤前傾が強まる傾向が認められた。また一部の被験者には、骨盤前傾による歩幅の増加、歩幅・速度の増加に伴う骨盤前傾がみられた。(2)床反力には個体差が大きく、歩調、歩幅の増加に伴う垂直分力"中だるみ"の増加等を除き一定の傾向がみられなかった。(3)下肢筋活動も個体差が大きく全体に共通する傾向は抽出できなかったが、被験者の一部において歩調・歩幅の増大に加えて、骨盤の前傾にともない脊柱起立筋、大殿筋、腓腹筋、前脛骨筋などの活動が増大する傾向が見いだされた。
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