2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580248
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
池田 輝雄 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (60151297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟場 正幸 麻布大学, 獣医学部, 講師 (40238655)
村上 賢 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (80271360)
代田 欣二 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70147974)
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Keywords | mast cell / BMMC / lipopolysaccharide / 自然免疫 / peptidoglycan / mmp / FimH / 大腸菌 |
Research Abstract |
平成16年度はマスト細胞で、我々がすでに作出している色々なType1線毛発現変異株およびGSTフュージョンFimHあるいは菌体主要成分のlipopolysaccharide(LPS)やPeptidoglycan(PG)を用い、抗原応答性受容体の発現調整、並びにその機能(食菌・殺菌能),さらにコンダクター細胞としての機能に必須である種々炎症性メディエーターの産生について検討した。抗原応答性の遺伝子群の検討およびその応答の分子機構、関連遺伝子群の発現については次年度以降に検討する。 平成16年度 マスト細胞は、グラム陰性桿菌の刺激により、1)遊走、2)認識・活性化、3)取り込み(食菌)、4)殺菌するがら、マスト細胞自身の殺菌能は弱いためその他の感染防御能が必要であり、そのため炎症を惹起するため5)種々な炎症性メディエーターを産生する。本研究では、マスト細胞のこれらの機能を検討するために適した培養細胞(マウス骨髄由来培養細胞(BMCMCs)ならびに数種の培養細胞株(IC-2,RBL-2H3,P815,HMC-1,MC-9)を用いることとし、1)についてはMMPの発現をGelatine zymography, Migration assay, Western Blotting,リアルタイムRT-PCRにより、2)についてはMHCクラスの発現びβ-hexosaminidase放出による脱顆粒の測定により、3)4)については微生物学的に食菌数および殺菌数の算出により、4)に関してはTNFαやInterleukinなどの発現をELISAやリアルタイムRT-PCRを用いて検討した。 結果) 1.マスト細胞は細菌感染の初期免疫応答において重要な役割を担うToll-like receptor familyの内、中心的な受容体であるTLR2およびTLR4をコンスティテューティブに発現することがRT-PCTおよび間接蛍光抗体法により確認され、TLRを介した免疫応答反応性細胞の一つであることが分かった。また、FimHの受容体であることが確認されているCD48についても発現していることが確認された。 2.マスト細胞の脱顆粒誘導能はFimH(+)およびFimH(-)大腸菌いずれにおいても認められなかった。また、グラム陽性菌および陰性菌の主要抗原であるLPSおよびPGにも脱顆粒誘導能は認められなかった。一方マスト細胞の主要産生サイトカイン一つであるTNFα産生はFimH(+)がCD48抗原依存的に有意な誘導能を示した。同様にLPSおよびPGもその産生能は弱いものの抗原量依存的にTNFα産生を示した。 3.マスト細胞の特異的なプロテアーゼであるMMPの誘導はLPSおよびPGとものMMP-9を誘導した。また、BMMCにおける遊走能誘導活性はTGFβおよびNGFに認められた。 4.マスト細胞は、マクロファージなどと同様強い貪食能を有することが分かった。食菌率はFimH(-)に比較し、FimH(+)大腸菌で有意に高値を示した。殺菌能はいずれの菌に対しても弱く、FimH(+)がFimH(-)に比べて細胞内殺菌に対する抵抗性を示した。 5.マスト細胞欠損マウスであるW/Wvを用いた膀胱内感染実験において、FimH(+)によるマスト細胞数の有意な増加と局所におけるIL-3の発現の上昇をRT-PCRおよびELISAで確認し、マスト細胞IL-3産生の細菌感染における重要性が示唆された。
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Research Products
(6 results)