2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16580248
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
池田 輝雄 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (60151297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟場 正幸 麻布大学, 獣医学部, 講師 (40238655)
村上 賢 麻布大学, 獣医学部, 教授 (80271360)
代田 欣二 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70147974)
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Keywords | mast cell / BMMC / lipopolysaccharide / 自然免疫 / peptidoglycan / サイトカイン / DNAアレイ |
Research Abstract |
平成17年度は、LPS抗原刺激に対する応答性遺伝子群をDNAアレイを用いて網羅的に解析し、それぞれに遺伝子発現を解析した。また、サイトカインおよび完全防御に重要な接着因子の発現プロファイルも併せて検討した。さらに生体内におけるTLR以外のシグナル伝達を介したマスト細胞の感染防御メカニズムの一端を検討した。抗原刺激応答性の遺伝子群の分子機構.関連遺伝子群の発現については次年度以降に検討する。 結果) 1.DNAマイクロアレイによりLPS刺激早期に変動する遺伝子の主なものは、mouseinterleukin 9、serine proteinase inhibitor, nuclear factor of kappa light chain gene enhancer、Tnf receptor-associated factor 1 (Traf1), Interleukin 1 beta、Fas (TNF receptor superfamily member) (Fas), Tissue inhibitor of metalloproteinase 3, Janus kinase 2 (Jak2), Interleukin 2 receptor, Prostaglandin-endoperoxide synthase 2 (Ptgs2), Chemokine (C-C motif) Interleukin 6 (Il6)であった。ここで注目すべきはマスト細胞増殖因子であるIL-9の発現が増加していること、すなわち我々がすでに報告したアドヒジョン蛋白によるマスト細胞の増殖刺激がIL-3によって行われていたのに対してこの結果はTLRを介した異なるマスト細胞の増加メカニズムが存在する可能性があることを示している。さらに従来から知られているNFkB伝達経路以外のJak伝達系の関与を示唆する結果が得られている。その他、多くのC-C motif ligandも遺伝子発現していることか、免疫で重要な細胞誘導メカニズムを知る上で重要な結果であると考えられる。また、マスト細胞の媒介物質であるプロスタグランジン合成に関連する遺伝子発現の変化は、感染防御にどのように関連しているかは未知であるが興味深い。現在これらの遺伝子発現については、詳細に検討を進めている。 2.RT-PCRによるmRNA発現でLPS刺激により発現が増加したものは、TNFa,IL-9,IL-6,IL-1bがDNAアレイの結果と一致して見られた。TLR4の発現は刺激後24時間以降増加が見られた。IL-13,MIP-1,IL-4は刺激後早期、すなわち自然免疫の期間内に発現の増加が認められたが、それ以降は減少した。これらの結果はマスト細胞の複雑なサイトカイン発現機構を示唆している。 3.マスト細胞は、接着因子のプロファイルを検討したところ、CD31, Integrin B7, P-select, CD44, IntegrinB1, ICAM-2, ICAM-1, VLA-5, SlgGSFなどの発現が認められた。この発現は抗原刺激条件により変化し、またマスト細胞のマウス系統間においても異なることが明らかとなった。これらの結果は感染はもとより、アレルギー反応を含めた免疫機構の差異を解析するための有益な情報をもたらす可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)