2005 Fiscal Year Annual Research Report
新たに発見された遺伝性白内障マウスに関する研究:新しい疾患モデル動物の開発
Project/Area Number |
16580253
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡田 利也 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00169111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向本 雅郁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (80231629)
松山 聡 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (10254442)
|
Keywords | ddY系マウス / 白内障 / 遺伝解析 / 皮質型白内障 / PCR-RFLP / 行動解析 |
Research Abstract |
本研究はddY系マウスに新たに発見された遺伝性白内障の特性を明らかにし、新しい疾患モデル動物として確立することを目的としている。本年度はddY系遺伝性白内障マウスに関して、以下の成績を得た。1.走査型電子顕微鏡観察によって3週齢より水晶体皮質領域における線維の膨化が観察された。2.八方向放射状迷路、モーリス水迷路による学習記憶検査並びにオープンフィールド、ロータロッドによる行動解析では白内障発症マウスと非発症マウスの間に著明な差は認められなかった。3.原因遺伝子の詳細な位置を明らかにするため、日本産野生マウス(MSM/Ms)との戻し交配世代{ddY系白内障マウス×(ddY系白内障マウス×MSM系マウス)}の発症個体332例について連鎖解析を行った。その結果、本白内障原因遺伝子はD2Mit515及びD2Mit467〜Mrrfの1.21cMの領域に位置していることがわかった。4.この領域に存在する既知の遺伝子は7つあり、4932702F08Rik及びNADH dehydrogenase 1 alpha subcomplex,8遺伝子のmRNAの発現の差をPCR-RFLP法によって調べたが、ddY系白内障マウスとddY系正常マウスで差は認められなかった。5.白内障原因遺伝子の存在する領域はヒト第9染色体上q33.2の領域に相当し、原因遺伝子の解明によりヒトでの相同遺伝子を特定することができると考えられた。以上のことから、遺伝性白内障マウスにおける白内障は皮質型白内障に分類され、原因遺伝子の染色体上での詳細な位置が明らかになった。また、原因遺伝子の存在する領域がヒトでも保存されており、ヒトの皮質型白内障モデルとして役立つことが示唆された。
|
Research Products
(3 results)