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2005 Fiscal Year Annual Research Report

有袋類の咀嚼・嚥下様式と顎・口腔領域の形態についての比較解剖学

Research Project

Project/Area Number 16590156
Research InstitutionThe Nippon Dental University College at Tokyo

Principal Investigator

上野 隆治  日本歯科大学東京短期大学, 歯科技工学科, 助教授 (10160201)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 塘 総一郎  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (10227639)
飯村 彰  神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (30211022)
Keywords上顎大臼歯 / 歯冠計測 / 頬側近遠心径(BMD) / 舌側近遠心径(LMD) / 近心頬舌径(MBL) / 遠心頬舌径(DBL) / 歯列 / 変動係数
Research Abstract

咀嚼・嚥下機構と顎・口腔領域の形態的特質との関連性を解明するために、有袋類のコアラをモデルとして上顎大臼歯の歯冠計測をおこない比較解剖学的な検討を加えて以下の知見を得た。
試料としてオーストラリア、アデレード大学医学部解剖学講座所蔵のコアラ14頭(オス8頭、体重6,000g〜12,600g、メス6頭、体重5,400g〜7,500g)の頭部標本の貸与を受けた。各個体の上顎右側第一大臼歯から第四大臼歯の頬側近遠心径(BMD)、舌側近遠心径(LMD)、近心頬舌径(MBL)、遠心頬舌径(DBL)をデジタルキャリパーを用いて計測し、得られた値に統計解析を加えて歯列内の差異および性差を求めた。
コアラの上顎第三大臼歯は第一および第二大臼歯に比べ、特に頬舌径において小さい傾向を示し、さらに第四大臼歯は他の3つの大臼歯よりも有意に小さい値を示した(P<0.01)。性差では、4つの大臼歯すべてにわたって、舌側の近遠心径はオスのほうがメスよりも有意に大きい値を示し(第一ないし第三大臼歯:P<0.01、第二ないし第四大臼歯:P<0.025)、さらにオスの第四大臼歯は4つの歯冠の値すべてにおいてメスよりも有意に大きな値を示した(P<0.05〜P<0.01)。また、変動係数の比較から、第三大臼歯の近遠心径はオスの第一大臼歯のBMDを除いて、他の三つの大臼歯よりも変動が大きい傾向を示し、一方、すべての大臼歯においてメスのMBLは最も少ない変動を示した。
これらの結果から、コアラ大臼歯の歯冠の大きさは、近心の歯から遠心の歯にかけて小さくなる傾向がみとめられた。この傾向は特にメスにおいて顕著であることが示され、これらの傾向が上顎の形態的特質と発生後の咀嚼様式の特異性に連動している可能性が示唆された。
なお、上記の結果の一部は第111回日本解剖学会総会・全国学術集会(2006年3月、神奈川県)において発表した。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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