2004 Fiscal Year Annual Research Report
シアストレス作動性新規低分子量G蛋白による血管内皮バリア機能強化作用機構の解明-層流シア・ストレスの抗動脈作用との関連においての検討-
Project/Area Number |
16590685
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
酒井 尚彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80294073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 眞人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10379266)
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Keywords | Shear Stress / 血管内皮細胞 / Rho family / barrier機能 / Actin細胞骨格 / 細胞間接着装置 |
Research Abstract |
私共は、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)におけるShear Stress応答遺伝子群の中で、Rhoに相同性を持つ新規遺伝子RECS28に着目して、まず全長cloningとGTPγS結合実験からRECS28はG蛋白質であると証明した。さらに変異導入によりdominant active(DA)、negative(DN)を作成、GFP蛍光標識したplasmidsを構築した。また抗ヒトRECS28特異的ポリクローナル抗体を作製し、RECS28野生型を一過性発現させたコントロール細胞で、抗体がRECS28を認識できることを確認した。 (1)血管内皮barrier機能:DA、DNを一過性発現させたHUVECsをFACSで回収、単層培養した。DextranをFITC標識してHUVECsを通過させ、通過量を定量し、内皮barrier機能の検定とした。この際、生理的透過性亢進因子であるVEGFやTPA刺激下でのDextran通過量も定量した。その結果、DNはbarrier機能を低下、DAはbarrier機能を増強させた。 (2)Actin細胞骨格:actin stress fiber(ASF)形成の検討の結果、HUVECsでは、DNはASF形成促進、DAはASF形成を抑制した。 (3)細胞間接着の関連:細胞間接着構成因子occludin(Tight Junction)とVE-cadherin(Adherens Junction)の免疫組織化学染色により、細胞間接着装置の形態をDNは破壊し、DAは保持する、ことを確認した。 以上から、RECS28は細胞骨格再編成を通して細胞間接着装置と連動し、血管内皮barrier透過機構を制御し抗動脈硬化に作用することが示唆された。これらの成果について現在論文投稿中である。
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