2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼによる心血管系防御機構の解明と臨床診断への応用
Project/Area Number |
16590703
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
石川 和信 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80222959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 幸夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90004712)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / 動脈硬化 / 酸化ストレス / PAI-1 / ノックアウトマウス / 心筋症 / ミトコンドリア / 抗酸化反応 |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)遺伝子欠損マウス胎児由来線維芽細胞を用いて、HO-1の抗酸化・抗炎症作用の分子メカニズムの解明を試みた。過酸化水素や酸化LDLによって誘導される細胞死やplasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)の発現にHO-1産物である一酸化炭素(CO)やビリルビンが与える影響を観察すると、COとビリルビンの両者が細胞死やPAI-1発現の抑制に関与することが判明し、その機序として細胞内グルタチオンの保持などを介する可能性を明らかにした(Mol Cell Biochem,2006, in press)。これらの結果はHO-1の抗動脈硬化作用を説明する1つの現象と考えられる。また、ミトコンドリア遺伝子3243の点変異に伴う心筋症患者において過剰に活性酸素種が産生され、抗酸化反応としてHO-1系が賦活化していることを観察し報告した(Circ J. 2005, 69, 617-620)。尚、HOの心血管系における保護作用の機序に関して血管内皮とマクロファージで作用が異なる点について日本循環器学会総会プレナリーセッションで講演し、HO系の循環器病領域での研究の動向を概説した。 急性心筋梗塞や慢性心不全の急性期増悪等の循環ストレスによりHO反応の賦活化を間接的に反映するバイオマーカーとして血清ビリルビン、血漿および尿中biopyrrinが上昇し、心機能障害を反映することを確認し、日本循環器学会で発表し投稿中である。
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