2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウログアニリンのネフローゼ症候群におけるNa・水代謝調節因子としての重要性の検討
Project/Area Number |
16590793
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
藤元 昭一 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80173467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北 俊弘 宮崎大学, 医学部, 助手 (70315365)
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Keywords | ネフローゼ症候群 / ウログアニリン / ナトリウム利尿 / 体液貯留 / 利尿因子 |
Research Abstract |
【動物実験】 Na・水貯留を呈するネフローゼ症候群において、Na・水代謝調節因子としてのウログアニリン(UG)の役割を、ラット実験腎炎モデルを用いて検討した。SDラットにpuromycin aminonucleoside(PAN)を投与し、ネフローゼ症候群のモデルを作成した(NS群)。コントロール群(C群)と塩分摂取量は同等として代謝ゲージで飼育し、経時的なウログアニリンの動態を観察した。さらに、一側腎動脈にのみPANを投与する片腎ネフローゼモデルを作成し、両側腎のUG発現量を比較検討した。NS群の尿中UG排泄量は、Na貯留期に徐々に増加し、その後C群の10倍と急速に増加した。一方、NS群の腎でのUG発現量は、Na貯留期に有意に増加し、Na利尿期には有意に低下していた。血漿UG濃度は、Na貯留期には両群で差はなく、Na利尿期にはNS群で上昇していた。片腎ネフローゼモデルでは、患側腎のUG発現量は正常側と比べ著明に増加していた。以上より、ネフローゼ症候群において、Na・水利尿作用を有するUGは血中および腎内でNa利尿因子として重要な役割を果たしていると考えられた。 【臨床研究】 ネフローゼ症候群患者5名を対象として、尿中・血中UG濃度、尿中Na排泄量を治療前後で測定した。ステロイド治療による利尿期のonsetをday 0とし、day-4-〜2、-1〜1、2〜4をそれぞれ比較したところ、尿中Na排泄量は経過とともに有意に増加し、体重は有意に低下していた。利尿期の尿中UG排泄量は前値の約2倍と有意に増加していた。利尿前後の血中UG濃度変化量と体重変化量は、有意な正相関を示していた。以上より、ステロイド治療後の利尿にNa・水利尿作用を有するUGの関与が示唆されたが、今後、症例の蓄積が必要である。
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Research Products
(1 results)