2006 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチの病因としてのCOX-2誘導性ムチンの検討
Project/Area Number |
16590992
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
川人 豊 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50336731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 敏一 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (90158410)
徳永 大作 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (90343409)
中田 博 京都産業大学, 工学部, 教授 (90113141)
佐野 統 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00196304)
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Keywords | COX-2誘導性ムチン / 関節リウマチ / 糖鎖異常 |
Research Abstract |
研究の目的 関節液にもともと豊富に存在するムチンは、糖鎖異常におちいりIL-1やTNF-αなどのサイトカインのみならず、COX-2の誘導に続くPGE2の産生亢進による様々な関節破壊につながる免疫現象を起こす可能性がある。本研究では、関節リウマチ患者関節液からCOX-2誘導性ムチンを検出し、構造解析、生理活性を検討し、糖鎖異常のあるムチンの関節リウマチの病因としての可能性を検討する。さらには、関節リウマチ治療薬、創薬のターゲットとした重要な分子として検討していく。 現在の進行状況 これまで、関節リウマチ患者の滑膜組織において癌関連糖鎖抗原であるTn、sialyl Tnが関節リウマチ滑膜組織において、炎症性単核球の一部、滑膜細胞に存在することを免疫染色で明らかにした。また、関節リウマチ患者の関節液をカラムにより分離後、高分子量分画にムチン成分のあることをドットプロット法、Western blot法にて確認し、遠心分離法により採取したヒト健康成人単核球にPGE_2、IL-1、TNFαを高度に産生誘導させる事を明らかにした。本年度は、これらの高分子量分画を脱塩、密度勾配遠心法によりさらにムチンを精製し、この精製物にもムチンが存在し、関節液由来の高分子量分画同様に、ヒト健康成人単核球にPGE2、IL-1、TNFαを産生誘導させることを明らかにした。これら関節リウマチのムチン物質を、分析と酵素消化をくり返し、糖鎖構造を推定し、最終的に、NMR,MSを用いて糖鎖構造を決定する予定であるが、現在までのところその主体がMUC-1であることを、滑膜組織の免疫染色、精製物のドットプロット法、Western blot法で証明した。他のMUCファミリーの含有の証明についても、構造解析とともに今後すすめていく。
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Research Products
(2 results)