2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療におけるGAFクロミックフィルム用線量分布測定装置の開発
Project/Area Number |
16591205
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
東 義晴 岡山大学, 医学部, 助教授 (90212505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 佐知子 岡山大学, 医学部, 助手 (80243517)
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Keywords | GFクロミックフィルム / 濃度測定装置 / 測定光源波長 / 汎用フラットヘッドスキャナ |
Research Abstract |
基盤研究(C)(2)(平成14〜15年度)を受け、GAFクロミックフィルムの測定誤差を医用画像処理の研究から蓄積したサブトラクション処理や撮影用X線フィルム面の不均一補正の技術を利用し、放射線治療技術の精度管理上必要な誤差である数%にできることが、測定装置の改造等を通して確認できた。ただし、高価なマイクロデンディトメータやレーザデンシトメータ等が必要なことや、測定時間がかかり過ぎる欠点もあった。そこでフラットヘッドスキャナを改良しGAFクロミックフィルムの高エネルギーX線・線量分布測定精度の向上のための安価で高速な測定装置の開発を行うことを目的とした。まず16年度、GAFクロミックフィルムの濃度測定器として、汎用フラットヘッドスキャナES-2200(EPSON)の透過ユニットの測定光源を670nmの波長に改造した。製品としては赤外線イメージスキャナIR-4000(アイメジャー有限会社)のカスタマイズとなった。このIR-4000の入荷は平成16年末になったためスキャナの性能評価を16年度に続き行うとともに測定精度の確認を中心に行った。また、GAFクロミックフィルムMD-55、HSに加え、EBTも発売されたため、測定波長630nmの透過ユニットの発注を行い、同様にEBTに対するスキャナの性能評価を行った。 以下にその結果の概略をまとめる。 1.GAFクロミックフィルムへの測定光源波長への対応 MD-55およびHSは670nm、EBTは630nmを持つ光に対し最大吸収を示す。これらの特性に対応するため、汎用フラットヘッドスキャナの本体は共通にして、測定光源のLEDを取り換えた透過ユニットのみを交換する形式とした。これにより安価で多用途のスキャナが実現できた。 2.測定感度の向上 測定光源を各GAFクロミックフィルムへの最大吸収波長に合わせたことから、従来の汎用フラットヘッドスキャナの使用に比較して1.5〜1.8の高感度の濃度測定システムを完成することができた。さらに、ノイズ対策をうまく行えば、測定精度を飛躍的に向上させることが可能になった。
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