2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の定位的放射線療法における腫瘍viabilityの評価法の確立
Project/Area Number |
16591209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂井 修二 九州大学, 医学部, 助教授 (90225756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和正 九州大学, 大学病院, 助手 (20284507)
古賀 博文 九州大学, 大学病院, 助手 (90343318)
添田 博康 九州大学, 大学病院, 助手 (90335969)
本田 浩 九州大学, 医学研究院, 教授 (90145433)
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Keywords | 肺癌 / 定位的放射線療法 / コンピュータ断層像 / 磁気共鳴画像 / FDG-PET / 予後予測 |
Research Abstract |
現在までに、原発性肺癌の病期IA期とIB期の症例9例と、転移性肺癌7例を、本研究に該当する患者として登録が可能であった。現在のところ、定位的放射線療法は、呼吸同期装置を備えたリニアック装置のみで行っており、ロボテック・ラジオサージャリー装置による呼吸移動に伴うターゲットの位置変動を追尾して、正確な体幹部定位放射線治療を施行した症例はない。その後、当院は肺癌の定位放射線治療の日本臨床研究グループ(JCOG)の施設としても登録され、質の高い定位的放射線療法を継続して行っている。症例ごとの定位的放射線療法後の画像所見に関しては、現在のところ短期の経過観察例のみであるが、CTにて照射野に一致したコンソリデーションを主体とする吸収値上昇がみられ、その辺縁にわずかにすりガラス状の吸収値が見られる例がほとんどである。照射野内に比較的大きい気管支が存在する場合は、収縮性変化による部分的な気管支拡張もみられる。MRIでは照射された部分の肺実質は、T1強調像で低信号、T2強調像でも低〜中等度信号を示し、器質化肺炎に似た所見を呈す印象がある。長期の経過観察例がなく、明らかな局所制御の確診が得られないため、再増殖する症例と根治に向かう症例での画像的特徴の鑑別点を見出すにはいたっていない。今後、さらに症例を重ね、定位的放射線療法後の長期観察例を蓄積することで、限局性の放射線肺臓炎と、そこからの再発があった場合のターニングポイントの診断を可能にできる可能性は十分に感じられる。
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