2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイルド・ハイパーサーミアによる免疫能活性と制癌剤取り込み増強に関する研究
Project/Area Number |
16591234
|
Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
長谷川 武夫 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (80077784)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
具 然和 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (40298667)
|
Keywords | 温熱治療 / 化学療法 / 免疫能活性 / 抗腫瘍効果 / 薬剤取込み / シスプラチン |
Research Abstract |
悪性腫瘍に対する温熱治療は、一般的に42.5℃以上の温度で行われている。加温温度を42.5℃より、1℃上昇させるだけで、温熱効果は1000倍増強され、正常組織は血管拡張によって血流が増加し、温度上昇抑制と代謝産物流出によって、温熱障害を受けないが、腫瘍部では血管拡張は発生せず、正常部に血流は取られるため、血流は選択的に低下し、温度は正常組織より上昇する。本研究では42.5℃以下の温度による温熱治療によって免疫能が活性し、抗腫瘍効果が発生する(In Vitroでは効果は示されない)事と制癌剤併用時に血流増加に伴う化学療法の増感を確認した。41〜42℃の低温熱処理をSCC-VII腫瘍担癌C3Hマウスに20分間加えると、白血球、リンパ球の増加と共にCr-51アッセイによってNK細胞の有意な活性が確認された。また、シスプラチンとマイルド・ハイパーサーミアを併用する事で、腫瘍内薬剤濃度は無処理群の7倍も上昇し、長時間に渡って薬剤は腫瘍組織内に集積を示し、薬剤化学治療と温熱治療併用によって、腫瘍成長曲線から抗腫瘍効果は相乗的に増強する事を確認した。正常組織では温熱処理を併用すると、短時間の薬剤濃度上昇を示したが、薬剤の消失が早く、副作用の軽減が示唆された。本研究からは薬剤化学療法を増感し、化学療法によって発生する免疫能低下を抑制し、薬剤の選択的な腫瘍内取込量増強と薬剤滞留時間の延長維持が確認され、薬剤化学療法に於いては薬剤投与量の軽減の可能性が示唆された。本研究のマイルド・ハイパーサーミアと薬剤化学療法との併用は臨床に於いて、副作用を軽減でき、有効な温熱治療によって治癒効果の上昇と免疫能活性による患者のQOL改善が期待できる。
|
Research Products
(6 results)