2004 Fiscal Year Annual Research Report
各種固形癌におけるアミノペプチダーゼNの発現機序の解明及びその阻害剤の臨床応用
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16591284
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Research Institution | Tazuke Kofukai Medical Research Institute |
Principal Investigator |
徳原 孝洋 財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 研究員 (80343755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正幸 財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 部長 (90250076)
服部 登 財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 主任研究員 (00283169)
広田 喜一 財団法人田附興風会, 医学研究所・第3研究部, 主任研究員 (00283606)
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Keywords | 血管新生 / Aminopeptidase N / CD13 / ヒト型モノクローナル抗体 / ADCC効果 |
Research Abstract |
我々は今まで血管新生を抑制するモノクローナル抗体MH8-11を作製し、抗体クローニングから、これがAminopeptidase N(APN)/CD13を認識していることを明らかにしてきた。マウス黒色腫の低肺転移株B16-F1にAPNを強発現させる高肺転移株に変化し、APNが転移能に関与していることを明らかにした。肺癌、大腸癌、膵癌の手術標本を用いて、APNと血管新生の関係を検討したところ、APNの発現は血管新生と関与しかつ予後不良因子になることが判明した。また、我々が作製したMH7-5抗体もAPNを認識していたが、MH7-5抗体では160kDaと120kDaのバンドが存在するのに対し、MH8-11抗体は150kDaのみであった。これは糖鎖の修飾によることが判明したので、糖鎖の変化により転移能が変化するか現在検討している。次に、F1高肺転移株を用いたマウス実験で、抗APN抗体で肺転移を抑制可能かどうか検討した。MH8-11抗体投与群では肺への転移数は41.4±24.4であったのに対して対象群では98.3±41.8と、MH8-11抗体を投与すると肺転移を効果的に抑制することができた(p=0.0043)。このように、APN自体が転移、血管新生促進遺伝子としての性格を有しており、その制御は転移の抑制に非常に役に立つと考えられた。そこで、我々は初めMH8-11を用いてヒト化キメラ抗体を作成しようとしたが、失敗に終わった。次に、キリン麦酒(株)との共同研究によりその人型抗体遺伝子を持ったKMマウスを用いて、人のAPNを認識していると思われるヒト型モノクローナル抗体産生ハイブリドーマM2-E95,M2-F19,M2-F80を作成することに成功した。これらはいずれも、IgG抗体であり、強いADCC効果を要しており、APN陽性癌患者に対して強力な抗体作用の成果を期待できると思われる。
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Research Products
(7 results)