2005 Fiscal Year Annual Research Report
各種固形癌におけるアミノペプチダーゼNの発現機序の解明及びその阻害剤の臨床応用
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16591284
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Research Institution | The Tazuke Kofukai |
Principal Investigator |
徳原 孝洋 (財)田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 研究員 (80343755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正幸 (財)田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 部長 (90250076)
服部 登 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00283169)
広田 喜一 京都大学, 医学研究科, 講師 (00283606)
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Keywords | 血管新生 / AminopeptidaseN / CD13 / ヒト型モノクローナル抗体 / ADCC効果 |
Research Abstract |
現在までに我々は、APNが癌細胞運動および血管新生の過程で、癌の転移形成、進展に関わっていることを明らかにした。そこで臨床応用を目標に、キリン麦酒(株)が確立したKMマウスを使用し、これを免疫して数種のヒト型モノクローナル抗APN抗体を作製した。その中でもヒト型MT95-4抗体とヒト型MT19-12抗体は強いAPN活性抑制効果を示した。その効果はマウスMH7-5抗体やマウスMH8-11抗体よりも強い抑制効果を示した。同一のAPNを認識するヒト型MT95-4抗体とヒト型MT19-12抗体を比べると、ヒト型MT95-4抗体のAPN活性抑制効果はかなり高い。この相違の原因として、異なる糖鎖構造を認識していることが考えられるので、APNの修飾糖鎖構造を明らかにしてその生理機能を明らかにすることを検討中である。これまでに、実際の肺癌・膵癌・大腸癌患者の切除標本を用いてAPN発現とその予後との関係をretrospective studyを行い検討し、APN発現と共に予後が悪化し、APN発現は予後不良因子となることを明らかにした。膵癌・肺癌では、APNの発現と血管新生が相関することも明らかにした。また我々は、抗APN抗体の機能を動物実験で検討し、抗APN抗体で肺転移を著明に抑制できることを明らかにした。我々が作製した、ヒト型抗APN抗体は転移を抑制する機能を持つ世界では類を見ないユニークな抗体であり、ヒト化抗体やキメラ抗体に比べ副作用は更に少ないと考えられ、直ちに臨床応用可能であると考える。
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Research Products
(7 results)