2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規脳内ペプチドの関節炎動物モデルでの役割と病態生理・分子機構の解明
Project/Area Number |
16591518
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health |
Principal Investigator |
大西 英生 産業医科大学, 医学部, 講師 (20279342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
上田 陽一 産業医科大学, 医学部, 教授 (10232745)
沖本 信和 産業医科大学, 医学部, 助手 (70330991)
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Keywords | 関節リウマチ / 神経ペプチド / 視床下部 / ガラニン様ペプチド / 遺伝子発現 / 2-buten-4-olide / パゾプレッシン / オキシトシン |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳内ペプチド、特にオーファン受容体の内因性リガンドとして発見されたガラニン様ペプチド(GALP)および新規関連ペプチドを中心に関節炎への関与を探ることであった。 我々はこれまで、慢性炎症ストレスモデルであるアジュバント関節炎ラットを用いて、下垂体後葉細胞におけるGALP遺伝子発現が特徴的な二峰性の発現を示し、その増加は関節炎症状に先立ち一過性に生じることを明らかにした。GALP同様、視床下部-下垂体系に関わる神経ペプチドとしてアルギニンバゾプレッシン(AVP)およびオキシトシン(OXT)がよく知られている。 2-Buten-4-olide(2-B4O)は、絶食後血中に増加する満腹物質であり、その生理作用として摂食抑制および免疫応答抑制の効果がある。さらに、下垂体前葉ホルモンおよび交感神経系へ影響を及ぼすことが報告されているが、その遺伝子レベルでの検討および下垂体後葉系への作用に関する知見はない。本年度研究では、慢性ストレスモデルであるアジュバント関節炎を用いる前段階として、下垂体後葉系における2-B4Oの作用を明らかにすること、および実験手法の確立を目的として、免疫組織化学的染色法を用いた蛋白レベルでの解析およびラジオイムノアッセイ法を用いた血中濃度の測定など系統的に解析を行った。その結果、2-B4O(100mg/kg)の腹腔内投与により血漿OXT濃度が投与後15-60分で上昇した。また、Fos蛋白の発現が、視床下部室傍核および視索上核におけるOXT分泌ニューロンに認められた。しかし、2-B4Oの腹腔内投与は、血漿AVPおよびAVP分泌ニューロンには影響を及ぼさなかった(Kawasaki et al.,2006)。現在、この研究をさらに進め、アジュバント関節炎を用いて、2-B4Oの神経内分泌系に対する下垂体前葉系における作用について検討している。
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Research Products
(2 results)