2005 Fiscal Year Annual Research Report
肺血管リモデリング防止をめざした核酸医薬による肺高血圧治療法の開発
Project/Area Number |
16591566
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Research Institution | The Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
上園 晶一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10291676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 秀明 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (40214142)
小森 万希子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60178332)
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Keywords | 肺高血圧 / 核酸医薬 / 血管リモデリング / 核内転写因子 / NF-κB / Egr-1 |
Research Abstract |
本研究の目的は、「モノクロタリンを用いた実験的肺高血圧ラットモデルにおいて、炎症反応をつかさどる核内転写因子NF-κBを阻害すれば、肺血管リモデリングを阻止し、肺高血圧への進展を防ぐことができる」という仮説の検証である。前年度の実験によって、この仮説を検証することができたので、今年度は、別の核内転写因子であるEgr(Early growth response)-1を対象にして、Egr-1に対するおとり型核酸医薬(デコイ)を、HVJ-Eベクターによって細胞内に導入し、遺伝子発現レベルで特異的に抑制した。実験の結果、以下の結論を得た。 1.モノクロタリン投与前にEgr-1デコイを投与した群においては、肺高血圧や肺血管閉塞病変の程度が、コントロール群と比較して有意に減弱した。 2.一方、Egr-1のスクランブルデコイ投与群においては、肺高血圧や肺血管閉塞病変の程度は、コントロール群と比較して変化しなかった。 以上より、Egr-1デコイは、モノクロタリン誘発肺高血圧の治療に有効であると結論した。 この実験の結果は、肺血管閉塞病変をともなう肺高血圧の病態生理において、肺血管における炎症反応が重要な役割を果たしており、炎症反応を抑制することが、肺血管リモデリングの進展を阻止するという点で、肺高血圧治療のターゲットになりうる、ということを示唆する。具体的には、炎症反応カスケードの上流に属する核内転写因子のNF-κBやEgr-1が良い標的となる。
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Research Products
(3 results)