2004 Fiscal Year Annual Research Report
嚢胞性腎疾患における嚢胞形成、結石形成の機序と予防に関する研究
Project/Area Number |
16591616
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
八木澤 隆 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80167692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安士 正裕 自治医科大学, 医学部, 助手 (70348019)
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Keywords | 多発性嚢胞腎 / 尿細管上皮細胞 / Chloride channel / NaDC-1 / CFTR / クエン酸 |
Research Abstract |
1.ラット嚢疱形成腎(diphynylthiazole誘発)における腎内chloride channel-K (CLC-K)の発現と分布 尿細管上皮の電解質輸送に重要な役割を果たすことが明らかとされ、Henle' sloop、distal tubules、collecting ductsに存在することが判明されてきたCLC-Kの嚢疱形成に伴う変化を検討した。嚢疱形成の進展に伴い、腎内CLC-Kの発現が減弱していることが確認され(northern blot analysis)、免疫組織染色では嚢疱腎(上皮細胞)のbasolateral sideおける染色性の低下が観察された。これらの所見は嚢疱形成にはHenle' sloop、distal tubules、collecting ductsにおけるCLC-Kの発現低下が関与し、これにより管腔内への水分分泌と管腔の拡大(嚢疱形成)がもたらされることを示唆するものと考えられた。 2.クエン酸負荷による嚢疱形成の変化とCLC-Kの発現 クエン酸を同時投与するモデルにおいては嚢疱形成の有意な抑制が認められ(NIH image analysis)、また腎内CLC-Kの発現増強が観察された。これはCLC-K発現の増減により嚢疱の形成と抑制が調節されることを示す所見であり、クエン酸がCLC-Kの発現を増強させることによって嚢疱形成を抑制することが示唆された。 3.嚢疱形成におけるNa/citrate transporter(NaDC-1)やCFTRの発現等について現在検討を進めており、データ解析、発表資料の作成も同時に進めている。
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