2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト子宮内膜癌における性ステロイドホルモン受容体アイソフォームの発現の解析
Project/Area Number |
16591651
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
平田 修司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (00228785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 和彦 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20111289)
笠井 剛 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20194699)
正田 朋子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (50345716)
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Keywords | エストロゲン受容体アルファ / エストロゲン受容体ベータ / プロゲステロン受容体 / 真核細胞 / アイソフォーム / 子宮内膜癌 / 遺伝子導入 / タンパク発現 |
Research Abstract |
女性性ステロイドホルモン、エストロゲンやプロゲステロンは、ヒト子宮内膜に働き生理的役割も大きいが、子宮内膜の癌化および進展にも深く関連していることが知られてきた。これらのエストロゲンやプロゲステロンは、脂溶性のホルモンであり、標的組織において存在している女性性ステロイドホルモン受容体(エストロゲン受容体アルファ(ERα)、エストロゲン受容体ベータ(ERβ)ならびにプロゲステロン受容体(PR))に結合し機能する。これまでに申請者らは、ヒトERα、ERβならびにPR遺伝子から、従来イントロンと考えられていた領域に、ERαエキソンS、ERβエキソンM、および、PRエキソンTならびにSが存在し、これらのエキソンと翻訳領域のエキソン4〜8(ERαおよびPRの場合)またはエキソン5〜8(ERβの場合)によって、新たなアイソフォームが生成されること、また、このアイソフォームがすべて正常子宮内膜において発現していることを明らかにした。このことから、このアイソフォームmRNAがコードするアイソフォーム受容体が、子宮内膜および子宮内膜癌において何らかの生理的・病的な役割を果たしているものと考えられる。 われわれは、ヒト女性性ステロイドホルモン受容体(BRα、ERβおよびPR)のタイプ6アイソフォーム受容体cDNAを発現ベクターに組み込み、ヒト子宮内膜癌細胞株において発現させ、それらの細胞内分布を検討した。また、さらに、同様に発現ベクターに組み込んだ野生株ERα、ERβおよびPRについても細胞内分布を検討し、タイプ6アイソフォーム受容体タンパクとの発現局在を比較した。その結果、野生株が核内に局在するのに比し、タイプ6アイソフォームは細胞質に存在し特異的な細胞内局在を示すことより、エストロゲンやプロゲステロンの子宮内膜癌における作用の調節になんらかの役割があるものと考えられる。今後、その機能解析により、子宮内膜癌の発癌や進展の阻止に結びつく新しい検査法や治療法の確立を模索する。
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