2004 Fiscal Year Annual Research Report
加齢黄斑変性とポリープ状脈絡膜血管症に対する光力学療法
Project/Area Number |
16591773
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
湯沢 美都子 日本大学, 医学部, 教授 (60139160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正巳 日本大学, 医学部, 講師 (50297826)
石原 菜奈恵 日本大学, 医学部, 助手 (50328754)
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Keywords | 光線力学療法 / 加齢黄斑変性 / 中心窩脈絡膜新生血管 |
Research Abstract |
目的:加齢黄斑変性の中心窩脈絡膜新生血管(CNV)に対して光線力学療法(PDT)を1回行い、CNVの閉塞状況、視力、レーザー照射野の網膜・脈絡膜の変化を明らかにする。 対象・方法:フルオレセイン蛍光造影(FA)で中心窩CNVを有する28眼にPDTを行い、PDT前、PDT後1週、3か月にFA、インドシアニングリーン蛍光造影(IA)、光干渉断層計(OCT)、多局所ERG、視力検査を行い、それらの所見を比較した。 結果:FAで中心窩CNVを有するCNVはIA所見からは加齢黄斑変性16眼とポリープ状脈絡膜血管症11眼に分けられた。平均視力はPDT1週後低下したが、3か月後にはPDT前に戻った。1週後IAでは照射範囲に一致して全てで造影早期、後期とも脈絡毛細管板の循環障害を示す低蛍光がみられた。2眼で脈絡膜中大血管の循環障害、13眼では脈絡膜血管炎によると考えられる色素漏出がみられた。FAではCNVはPDT後1週では12眼で閉塞、9眼で縮小していた。3か月後には、IAでは照射野は造影後期のみ淡い低蛍光が残るものが14眼あった。CNVは4眼で再開していた。多局所ERGでは照射野を含む範囲に一致して1週後平均潜時の延長がみられたが、3か月後にはPDT前に戻った。振幅には1週間、3か月とも変化が無かった。 結論:PDTは網膜・脈絡膜に障害を起こすものの、それらは一時的であり、安全に行える治療法であると考えられた。今後は治療前と3か月おきの視力、FA、IA、OCTによってPDTの適応を決め、型通りPDTを施行し、1年後、2年後の多数眼でのデータをまとめ、PDTの有用性、PDTの良い適応について検討する予定である。
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