2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591906
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大槻 昌幸 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (30203847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 順次 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50171567)
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Keywords | 歯根齲蝕 / QLF / 蛍光 / 初期齲蝕 / 診断 |
Research Abstract |
初期のエナメル質齲蝕の診断に、齲蝕の発する蛍光を画像処理して診断を行う装置QLF(Inspector社、オランダ)が有効であることが数多く報告されている。一方、わが国は高齢化社会を迎え、高齢者に多いとされる歯根齲蝕の診断、予防および治療が重要性を帯びてきている。ところが、初期の歯根齲蝕に対する精度の高い診断は確立されておらず、また、QLFの歯根齲蝕の診断への適用も試みられていない。そこで、歯根齲蝕の新しい診断法の確立のため、ヒトの初期の歯根齲蝕に対してQLFを用いて齲蝕の進行を経時的に調べ、その変化を定量的に評価することを試みた。その際に、齲蝕検知液および蛍光色素溶液の増感効果についても検討を行なった。以上の研究は、東京医科歯科大学歯学部附属病院倫理審査委員会の承認を得て遂行された。その結果、QLFによる検査において蛍光色素溶液は増感作用を示したが、その程度は、症例によってまちまちであり、齲蝕検知液も同様の結果であった。この結果は、抜去歯を用いた同様の実験と同じ傾向であった。また、QLFは初期の歯根齲蝕の進行を診断するのに有効であることが示唆されたが、残念ながら症例数が少なく、また、観察期間も短期なため、その有用性を明らかにするまでには至っていない。来年度は観察症例を増やすことと、より長期的な観察を計画しており、それによって、QLFによる初期の歯根齲蝕の診断の有用性について明らかにする予定である。
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