2004 Fiscal Year Annual Research Report
根管分離細菌が形成するバイオフィルムに対する各種酵素の影響
Project/Area Number |
16591927
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
細矢 哲康 鶴見大学, 歯学部, 講師 (00157033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 剛太 鶴見大学, 歯学部, 助手 (80288117)
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Keywords | バイオフィルム / 酵素 / 根管分離細菌 / 電気泳動 |
Research Abstract |
コラーゲンタイプIでコーティングしたセルディスクを用いて、慢性根尖性歯周炎罹患歯根管から分離されたP.gingivalis由来のバイオフィルムの産生をSEMにて形態学的に確認した。 P.gingivalis産生バイオフィルムをセロファンシートに付着させ、バイオフィルムを懸濁液として回収することができた。さらに、限外ろ過フィルターで遠心濃縮し試料とした。P.gingivalis産生バイオフィルムを電気泳動によって観察した結果、菌体ならびに培地には認められない特異的なタンパク質の存在を確認した。 本研究に供した酵素は、アルギン酸リアーゼ、ビオプラーゼコンク、ペクチナーゼXP-534、卵白リゾチームFGおよびデキストラナーゼであり、各酵素において特有なタンパク質のバンドが確認された。各種酵素は、水に対して2%強で飽和状態となる。約2%濃度の各種酵素には抗菌性は認められなかった。しかし、ビオプラーゼコンクは培地に影響を示すことから、抗菌的な作用を示す可能性が考えられる。各種酵素のバイオフィルムへの影響を電気泳動で観察する予定であるが、酵素のタンパク質とバイオフィルム特有のタンパク質のバンドが重なり判定法を考案中である。一方、Staphylococcus aureusにおいても、同様にバイオフィルムの産生を行ったが、P.gingivalisに比べると産生量が僅かであった。血漿成分を添加することで産生量が増加するものの、酵素への影響を確認する必要がある。
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