2005 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子-受容体系分子を標的とした顎顔面口腔疾患の遺伝子診断・治療法の開発研究
Project/Area Number |
16592001
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 良治 広島大学, 病院, 助手 (50304431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
虎谷 茂昭 広島大学, 病院・講師 (90172220)
岡本 哲治 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
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Keywords | FGF受容体遺伝子 / Crouzon / Apert / 軟骨異形成症 / PCR-SSCP / PCR-RFLP / V-P shunt術 / 頭蓋骨冠形成術 |
Research Abstract |
FGF受容体遣伝子(FGFR)は、Pfeffer, Crouzon, Apert症候群等の頭蓋縫合早期癒合症、および軟骨異形成症の原因遺伝子であり、骨・軟骨細胞の増殖・分化にFGFRは重要な働きを担っている。 我々の教室では、Crouzon症候群(4例)、Apert症候群および軟骨異形成症(各1例)におけるFGFR2、FGFR3遺伝子の変異を抹消血DNAを用いたPCR-SSCP、PCR-RFLPおよびDirect Sequencingにて解析した。 その結果、生後6ヶ月で短頭症を認め、2才9ケ月で頭蓋冠形成術を施行されたCrouzon症例1ではFGFR2 exon 7にLeu343Met置換を認めた。また、13才4ケ月で頭蓋冠形成術を施行された症例2ではexon 7にSer354Phe置換を認めた。一方、頭蓋冠形成術を必要としなかった症例3ではexon 5のコドン751にTのInsertionを認めた。しかし生後76日目にV-P shunt術、生後160日目に頭蓋冠および手指形成術、1才時に口蓋形成術を施行されたApert症例では、FGFR2 exon 5にPro253Leu置換を認めた。さらに、生下時、骨形成不全と四肢短縮を示し、生後5ケ月でV-P shunt術を施行され、臨床診断に苦慮した症例では、FGFR3の細胞膜貫通領域にAla397Glu置換およびArg397Gly置換を認め、軟骨異形成症の確定診断を得た。 これらの結果から、FGFR遺伝子の変異の質的差異が臨床症状に反映していることが明らかとなった。また、遺伝子診断により頭蓋顎顔面骨格の発育予測も可能であることが示唆された。
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