2006 Fiscal Year Annual Research Report
外科的矯正治療による心理・精神面と表情との変化の関連性に関する研究
Project/Area Number |
16592042
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
寺田 員人 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (00139312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 繁生 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10200411)
宮永 美知代 東京芸術大学, 美術学部, 助手 (70200194)
七里 佳代 新潟大学, 保健管理センター, 講師 (60235538)
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Keywords | 外科的矯正治療 / 顎変形症 / 心理テスト |
Research Abstract |
顎変形症を有する患者の多くは、下顎の前突感、顔の曲がりなど顔貌の不調和を悩みながら思春期後期に行う治療を待っていることが予想される。そのような患者は、長期に亘り精神的ストレスを抱え、心理・精神面に悪影響を及ぼしていることが予想される。そこで、外科的矯正治療前後の心理・精神的な変化を調べることを目的に調査を行った。 外科的矯正治療患者50名と矯正治療を終了した患者12名を被験者として、状態・特性不安検査(State-Trait Anxiety Inventory,日本語版STAI)を用いて、調査を行った。また、大学生229名から研究の協力を頂き、対照者とした。 その結果、対照群とした大学生の状態不安では、普通、やや高い、非常に高いがほぼ30%で同じであった。一方、外科的矯正治療後、矯正治療後では、普通は60〜70%で最も高くなっていた。外科的矯正治療と矯正治療後の平均値が、対照群と比較して、危険率5%以下で有意差を認め、一般学生より良好な状態にあった。 特性不安について、対照群では、非常に高いが38%で最も高く、外科的矯正治療と矯正治療後では、普通が最も多く、危険率5%以下で平均値に有意差を認め、一般学生より良好な状態にあった。 近年、顎変形症患者は、術後に総じてQOLが上昇し、対照群の正常咬合者よりも自分の顔に対する満足度や歯や口に対する関心度が高いことが報告されている。今回の結果からも、外科的矯正治療後ならびに矯正治療後の状態は、通常の大学生よりも状態不安、特性不安が良好な状態にあることが示された。 顔貌を主訴とするグループでは治療後の満足後がかみ合わせを主訴とするグループより、低い結果を大原らが報告している。そのため、今後、主訴と精神面の改善との関連性を調べる必要性があると考える。 形態の変化が心理・精神面にも良好な影響を与えていることが示唆された。
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