2006 Fiscal Year Annual Research Report
家族成員の関係性に着目した未熟児を養育する家族への支援
Project/Area Number |
16592137
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
斉藤 早香枝 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (50301916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 たい子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (10156713)
江守 陽子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (70114337)
村井 文江 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (40229943)
野々山 未希子 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (90275496)
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Keywords | 早産児 / 低出生体重児 / 育児支援 / 育児不安 / 父親 |
Research Abstract |
本研究の目的は、早産・低出生体重児を養育中の家族に対する支援モデル構築のための基礎的データを収集し検討することである。 対象となったのは、単胎で生まれ、早産で生まれた事に起因する以外の疾患や障害を有さない生後1ヶ月から35ヶ月までの早産・低出生体重児とその母親202組である。 自記式質問紙法と半構造化された面接法(一部の対象者)により、早産・低出生体重児および両親の属性、入院時のケア経験、夫婦の関係性、母親の受けているサポート状況、子どもの気質、両親の健康状態、母親の被養育体験等と母親の育児不安・育児困難感との関連を検討した。 1)早産・低出生児を養育する母親の育児困難感は、1歳児、2歳児では高く、「子ども総研式育児支援質問紙」で支援を必要とする対象は、1歳児の43%、2歳児の29%を占めた。しかし、0歳児(0ヶ月〜11ヶ月)では、10%程であり、育児困難感の程度や支援を必要とする割合は、一般の母親と変わらなかった。また、早産・未熟児が、第1子(初めての子育て)であるかどうかということでも有意な違いはなかった。 2)0歳児の母親の育児困難の程度を児の生下時体重で検討した結果、困難の程度が高かったのは、1000g以上〜1500g未満の極低出生体重児で生まれた子どもの母親であった。 3)母親の育児困難感に最も影響を与えるのは、夫婦の関係性であった。夫婦の関係性が良好なほど母親の育児困難感が低かった。他、母親の被養育体験も育児困難感と関係がみられ、自分の親から温かい愛情を示されて育ったと認識する者ほど、育児困難感が低くなる傾向があった。 乳児期における支援のみならず、幼児期での成長過程に応じた育児支援の必要性が示された。また、育児不安・育児困難感の重要な関連要因である父親への介入が今後検討される必要がある。
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