2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16592153
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
奥 祥子 鹿児島大学, 医学部, 講師 (40284921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牛尾 禮子 吉備国際大学, 保健科学部, 教授 (80281525)
塚本 康子 静岡県立大学短期大学部, 助教授 (60310554)
中俣 直美 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90253921)
堀内 宏美 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70325786)
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Keywords | 一般病棟 / 終末期ケア / 遺族 / 死別後 |
Research Abstract |
一般病棟における遺族ケアの実態を明らかにする目的で,九州地区100床以上の入院施設のある病院の看護師長を対象に郵送による質問紙調査を実施した。倫理的配慮として,調査目的,方法などに関して事前に,鹿児島大学医学部内の倫理委員会で承認を受けた。対象にはプライバシー保護などについて説明し,書面をもって同意を得た。平成17年2月上旬に質問紙987枚を送付し,2月末日現在の回収は92人(9.3%)である。調査継続中であるため,現在までの結果を報告する。 対象者の背景は,女性96.7%,男性3.3%,師長年数5年以内48.9%,6年以上10年以内30.1%,11年以上21%。「患者様の役に立てるように,清拭などのケアを一緒に行っている」が51.1%であった。「家族から何とかしてほしいと言われたことがある」は76.7%。「患者様と家族が人生を振り返る機会を作っている」は,56.5%であった。施設の面では,77,2%に「家族が悲しみを表出するための一人になれる部屋」がなかった。「患者様が亡くなられて退院した後,ご家族へ慰めや励まし」を全く行っていないのが62.8%,行っているが8.1%。「亡くなった患者様のご家族に,悲嘆の心理過程について説明」している11.4%。「ケアが適切であったかどうかを評価している」は32.6%だった。患者様やご家族へのケアの実態の概要が明らかになった。一方で終末期の患者様のご家族への「こころのケアなどは病院・病棟として組織すべき」と90.7%が答えていた。「現在行っている終末期および死別後のご家族へのケア」に満足している29.3%,満足していない70.6%であった。ご家族へのケアの必要性については十分に認識しているが,実施できていない現状にあることが推察された。 遺族が経験した悲嘆過程と悲嘆に影響を与える要因に関しては,今後の面接調査の分析で明らかにする予定である。
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