2005 Fiscal Year Annual Research Report
看護師による小児救急「電話トリアージ・マニュアル」の有用性
Project/Area Number |
16592158
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Research Institution | Niigata College of Nursing |
Principal Investigator |
加固 正子 新潟県立看護大学, 看護学部・看護学科, 教授 (00233677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 明子 新潟県立看護大学, 看護学部・看護学科, 助手 (70279850)
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Keywords | 小児救急 / 看護師 / 電話トリアージ / マニュアル |
Research Abstract |
本研究は子どもの救急外来における看護サービスを効果的に実施するために、看護師が行う電話対応を標準化し評価を行うことを目的として行われた。最初に、子どもの救急に対する電話トリアージ・マニュアルを試作し、そのマニュアル導入前後の評価(A病院の救急外来勤務看護師、および受診した保護者による)を実施した。研究2年目は、全国211の小児救急医研修を受け入れている施設の看護部に、小児救急電話トリアージの実態調査への協力依頼を行った。その結果、全国的114施設(51.6%)の救急外来看護師長またはその任にあたる看護師から回答を得た。また、試作した「電話トリアージ・マニュアル」の使用を希望する施設に対して、その施設の救急外来看護師のストレス度や対応の変化について調査を行った。調査結果として、95施設(45.0%)からの協力が得られた。救急外来に勤務する看護師の救急外来経験年数は3年以内が58.4%、小児看護経験年数3年以内が62.4%と大多数を占めた。救急外来で困った経験があったと答えたのは780名中665名(85.3%)に上った。困った内容のカテゴリーは<親に関連したこと><看護師自身のこと><医師との関係性>などに分かれた。対処法は「医師に相談する」「看護師または医師に相談する」「とりあえず来てもらう」と続き、「マニュアルや参考書」を活用する者はごくわずかであった。電話トリアージに対するストレス度は6段階で4〜5と高いストレスがあると答えた割合が69.8%に上った。以上の結果から、救急外来における電話トリアージを看護師が実施している割合は高く、多くの原因からなるストレスを抱えながら実施していることが推察された。しかし、"小児救急"に関して組織的な研修がなく、電話トリアージ・マニュアルがない状況であった。マニュアルの有用性についての評価研究については、現在、結果分析を行っているところである。#800番小児救急電話相談サービスの普及が推し進められている今日、必要な電話対応訓練やトリアージ方法の訓練を早急に確立する必要性が認められる。
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Research Products
(2 results)