2004 Fiscal Year Annual Research Report
自発的呼吸訓練器具を手術前後に使用した場合の呼吸機能回復への影響
Project/Area Number |
16592186
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
玉田 章 奈良県立医科大学, 医学部・看護学科, 助教授 (50252151)
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Keywords | 呼吸訓練 / 呼吸機能 / トリフロー / 周手術期 / 肺活量 / 最大瞬間呼気流量 |
Research Abstract |
自発的呼吸訓練器具の臨床で実際に行われている使用方法(使用回数・使用期間・使用時期)に統一性が見られないため、その方法の統一を図るための研究を行っているが、今年度は、臨地での研究の前段階として、健康な成人を対象に自発的呼吸訓練器具を使用して、呼吸機能への影響を検討した。対象は19歳〜25歳までの看護学生および一般社会人とした。対象の募集には、研究主旨を記した書面を用いて説明し、研究の参加の同意書を取り交わした。 自発的呼吸訓練器具にはコストと訓練のし易さからトリフローを用いた。このトリフローによる1回の訓練回数を10回または30回とし、1日に4セット(朝、昼、夕、就寝前)訓練を行うこととし、それぞれの訓練回数において訓練期問を2日間、4日間、6日間、8日間、10日間とした計10群に分けて実験を行った。各群には参加同意をした者から無作為にあてた。実験開始の前後にはスパイロメータにより肺活量、1秒率等を測定した。スパイロメータによる呼吸機能の測定については、事前に臨床検査技師から測定技術の指導を受け研究者の測定技能を習得してから実施した。 実験計画で被験者数をデーターの客観性から1群にっき35名としていたが、実験途中で中止した被験者もおり、1群平均10名であるため統計学的分析には十分な人数とはいえない。実験を開始するまでの呼吸機能測定技術の習得などの準備にかなり期間が必要としたことや、被験者対象を本学の学生としていたが、学生の実験に対する興味がことのほか低かったことが参加同意する学生が少なかった原因と考えられる。被験者対象については近隣の短期大学の学生や附属病院等の職員にまで拡大したが、この人数にとどまった。 現在の結果で、統計学的な処理すると1回の訓練回数30回において、4日目に肺活量や最大瞬間呼気流量などのピークがあり、その後の訓練期間ではやや低下の傾向が見られる。データーのばらつきが大きく、さらなる被験者が必要である。そのため、次年度の実験計画では、臨床で患者を対象とする予定であったが、一部計画を修正し今年度の成人健常者に対する自発的呼吸訓練器具の呼吸機能に対する効果を検討していく。
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