2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16592204
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
波多野 浩道 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50164851)
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Keywords | photovoice / 地域診断 / グループ討議 / 地区視診ガイドライン / 地域性 / アクションリサーチ |
Research Abstract |
本研究の目的はPhotovoiceの地区診断への応用可能性を検討することである。 学内倫理審査委員会に実施計画を諮り,非該当と判定された。 1)対象者:対象地域を小学校区,集落単位で抽出し,2集落を選定した。対象者は,小学生とその保護者を主とする成人とした。Photovoiceのテーマは,対象者の属性にかかわらず参加できるもの,奄美大島全域で課題とされる,身近にありすぎて見過ごされている「宝さがし」、を踏まえ『地域らしいところ・こと』とした。 2)データ収集 (1)物語のついた写真の収集:27枚撮りのインスタントカメラを対象者に配布し,物語のついた写真を回収した。 (2)撮影された写真のグループ討議 小学生には1回,成人には2回グループ討議を実施した。研究者が外部ファシリテーターとして参加した。 3)データ分析 ボイスが付けられた写真の分類についでは,地区視診ガイドラインの分類,被写体による分類を実施した。尚,これらの分類では物語性を分析できなかったため、分類枠を再検討中である。地域診断への有効性評価の指標として,参加者が地域を見直す機会となったか、地域の様々な人の意見を共有できたか,課題に気づいたか,課題に取り組もうと考えたかを設定し,より参加の高い反応が得られた方が有効と考え、得られたデータを分析した。 4)結果および今後の展開 有効性評価について2集落の結果は大きく異なっていた。1集落は、一部課題に取り組みつつある段階へとPhotovoiceの取り組みが影響したと考えられるのに対し、1集落では意見の共有化を図れたと考えられるグループ討議は実施されたものの、その後の展開への反応は乏しかった。差異の要因については検討中である。今後はより多くの人々を巻き込む方法を開発したい。
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