2004 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者の睡眠・覚醒リズム障害の実態およびアクティビティケアによる介入の効果-看護と介護の協働による効果的な睡眠ケアのための科学的根拠の収集-
Project/Area Number |
16592218
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
堤 雅恵 山口県立大学, 看護学部, 助教授 (80280212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏生 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (20251069)
田中 マキ子 山口県立大学, 看護学部, 教授 (80227173)
涌井 忠昭 宇部フロンティア大学短期大学部, 生活福祉学科, 教授 (40220850)
澄川 桂子 山口県立大学, 看護学部, 助手 (00382391)
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Keywords | 高齢者 / 睡眠・覚醒リズム / 介護療養型医療施設 / 睡眠日誌 / アクチウォッチ / アクチグラムデータ / アクティビティケア |
Research Abstract |
2004年度は大きく3つの作業即ち(1)方法論に関する検討、(2)2003年度収集の基礎的データの分析および縦断的調査、(3)アクティビティケアによる介入の効果の検討を行った。方法論である睡眠日誌の有効性については、4名の対象者にアクチウォッチを装着して得た21日間のアクチグラムデータから算出した睡眠確率と、1時間単位で記録した睡眠日誌データとの一致率をみた結果、「睡眠」では64〜75%、「覚醒」では59〜83%であり、睡眠日誌によって睡眠・覚醒リズムを把握することが可能であるという示唆を得た(第63回日本公衆衛生学会総会において発表)。基礎的データの分析では、介護療養型医療施設の入所高齢者76名における59日間の睡眠データから、(1)75歳以上の対象者は75歳未満の対象者と比較して夜間の覚醒時間が長かった、(2)Barthel Index64点以下の対象者は65点以上の対象者と比較して昼間の睡眠時間が長かった、(3)HDS-R20点以下の対象者は21点以上の対象者と比較して総睡眠時間のばらつきが大きかったなどの結果を得た(第30回日本看護研究学会学術集会において発表)。76名のうち、1年後の2004年9月〜11月に継続して入所していた60名については縦断的調査を実施した。このデータは現在分析の過程にあり、認知症の重度化、ADLの低下との関連を検討している。アクティビティケアに関しては、ほとんど毎日参加した対象者は時々参加したまたは参加しなかった対象者と比較して総睡眠時間が長く、また夜間の最長睡眠時間も長いという結果を得た(第51回山口県公衆衛生学会において発表)。さらに、対象者の趣味や生活背景を考慮したアクティビティケアプログラムの立案・実施が睡眠・覚醒パターンに及ぼす影響についても調査し、現在結果を検討している。この結果については、第52回山口県公衆衛生学会において発表予定である。
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Research Products
(2 results)