2006 Fiscal Year Annual Research Report
農村部における在宅高齢者の食行動と食満足に影響する要因への集団的アプローチの効果
Project/Area Number |
16592220
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
白井 英子 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (80310085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 礼維子 天使大学, 看護栄養学部, 助教授 (90320556)
長谷部 幸子 天使大学, 看護栄養学部, 講師 (40382551)
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Keywords | 農村部 / 在宅高齢者 / 食行動 / 食生活満足度 / 質的研究 |
Research Abstract |
高齢者の食生活の満足を高める援助の方向性を検討するために、在宅高齢者の食生活の満足に影響する要因を質的に明らかにした。 調査対象は、第1次調査(平成17年度)において主観的な食生活の満足度が低い人31名で、そのうち現在もデイサービスに通所し、調査日にインタビューできた17名であり、研究者が直接研究目的を説明し、承諾を得て調査対象とした。 調査内容は、基本属性、食生活の満足度と食行動、食物摂取状況、身体計測である。インタビュー内容を逐語録にして食生活の満足、食行動にかかわる内容の全てをデータとして抽出し、事例ごとに分析した。 その結果、食生活の満足度に影響している主要要因は、「身体的理由」と「家族の関係性」「家族の役割」「つくってもらうから」に分類された。『身体的理由』は、身体の不自由により、買い物、調理行動が制限される、身体状況により食事量が制限されるなどが、『家族の関係性』は、配偶者や嫁との関係性の中で、自分が食事をつくることに負担感をもつこと、また、つくってもらうことへの気遣いや家族の中の孤食が、『家族内の役割』は、家族のために料理をすることを役割と感じることが、『つくってもらうから』は、食事をつくってもらっているから満足しなくては、という思いが食生活の満足に影響していた。 加齢や疾患による身体的要因は多くの事例で影響していた。家族の関係性が強いと思われてきた農村部においても食の共有がない家族の中の孤食の問題があった。デイサービスは、調理の負担を軽減することができ、いろいろな献立を話しながら食べることができ、高齢者の食生活の満足度を高める一つの要因となっていた。今後、高齢者の食事内容の質を向上させる上でもデイサービスを利用できる範囲の拡大や地域で食を共有する場の設定が望まれる。
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