2004 Fiscal Year Annual Research Report
地域固有の自然事象および伝統技術の「総合的な学習」へのカリキュラム開発
Project/Area Number |
16611002
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
利安 義雄 茨城大学, 教育学部, 教授 (90125253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 永 茨城大学, 教育学部, 助教授 (20272099)
山本 勝博 大阪府教育センター, 教科教育部, 主任研究員 (60250263)
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Keywords | 水戸黒染め / 海賊染め / 山寺の水道 / 手作り地震計 / 山塩 / 湧き水分析 / 地域教材 |
Research Abstract |
本研究では、4本の柱を立てている。 1.伝統染色技術(水戸黒染めなど) 水戸黒染めの藍とヤシャブシの合せ染めを、学校現場でも使用できる素材として、ヤシャブシの代わりになる身近な学校園などにある樹木のタンニン量を調べた。ざくろ・桜・栗などが有効である。pH10程度で30分ぐらいの条件が、効果的なタンニン抽出条件であった。また、海産物(特に海藻類)によるか海賊染めの素材と文献調査を行った。この素材については、染色に使われる色素だけでなく、ほかに含まれている成分も簡単に調べられる手法を検討中である。 2.江戸期の治水事業(山寺の水道など) 永田茂衛門・勘衛門親子の江堰に関する文献調査および現地調査を行った。一部の成果を、SPP事業中学校理科教員研修において、実践を行い、自然と人間とがかかわった、総合学習的な学習への地域教材の一例として提示した。 3.茨城の地震関係 一般に地震計は金属製であるが、学校現場でも利用しやすいオールプラスチック製の地震計を開発した。感度は震度2以上であれば、記録可能になった。茨城地方は地震が多く震度2以上は、月平均1.5回ぐらいはある。製作および計測に関する内容の一部を学部紀要に発表。昨年10月の新潟中越地震も計測された。気象庁のデータと一緒に比較し、地域の教員研修会や大学での演習で紹介した。開発したのは、水平変位動の記録計なので、次は上下動の記録計を考案中である。 4.塩のつく地名と湧き水の関係 茨城の大子地区の主な湧き水場所を文献ならびに現地調査を行った。昔からの鉱泉・温泉群も多く主に重曹泉,ボウ硝泉が多そうである。この地区の表層地質との関連や、久慈川上流の八溝山湧水群との比較を行っている。さらに全国的な観点で、長野県飯田地方の鹿塩地区も山間部から塩が取れ、地名も塩のつく地名が多く、中央構造線にも沿っているので、現地調査を行い、湧き水,温泉水、河川水を採水すると同時に代表的な地質の岩石も採取し、分析検討している。
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Research Products
(1 results)