2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16614005
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
大川 匡子 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80160430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 裕彦 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30293830)
尾関 祐二 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90303768)
小西 瑞穂 滋賀医科大学, 医学部, 教務職員 (90378448)
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Keywords | 概日リズム睡眠障害 / 生体時計 / 高照度光 / メラトニン / 深部体温 / 光感受性 / 眠気 / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
引きこもりや不登校などの社会への適応困難となる若者のなかに、概日リズム睡眠障害でもこのような状態を伴うことが多く、治療をきっかけに社会復帰できることも珍しくない。患者に適した有効な治療法を明らかにするために、当院での入院治療例について経過及び治療を行った。 今回の入院治療のポイントは高照度光療法と心理社会的アプローチであり、高照度光療法は慢性的にずれた体内時計の位相のずれを矯正するために用いた。心理社会的アプローチとしては、集団生活による緊張感、生活指導による具体的な日課の設定、精神療法による挫折感からの解放などにより、具体的かつ計画的に睡眠リズムの矯正と固定を図ることを目的とした。入院時の年齢は10代が最多である。発症年齢も、全て20歳代までに発症している。罹病期間はばらつきがあり、長い者では10年以上罹病しているものもいた。就学・就労は76%の患者ができているが、何年も留年を繰り返すものや出席日数不足ぎりぎりで追い込まれている患者が多かった。薬物療法については睡眠薬・抗うつ薬などの精神科薬の使用は比較的少なかった。概日リズム睡眠障害の入眠困難は睡眠薬が無効であることが多く、起床困難にもつながるので積極的には使用していない。外泊中を含む退院前1週間の目標時刻での自力起床の可否について検討した。53%の患者が退院前1週間に完全に自力起床が可能となった。睡眠相後退型の患者における改善群、非改善群の比較を行ったところ改善群の入院時年齢・発症年齢は非改善群と比較して有意に高かった。その他、入眠時刻や起床時刻、入院前の社会参加の状況、合併診断の有無については両群間に明らかな差をみとめなかった。リズム障害患者の多くは遅い入眠と遅い起床を繰り返すことで、自己での矯正が困難な悪循環に陥っている。入院治療による高照度光療法と心理治療の積極的受入れにより、この悪循環を脱することで登校や出勤が可能となると考えられた。
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[Journal Article] Cerebral white matter blood flow is constant during human non-rapid eye movement sleep : a positron emission tomographic study2005
Author(s)
Hiroki M, Uema T, Kajimura N, Ogawa K, Nishikawa M, Kato M, Watanabe T, Nakajima T, Takano H, Imabayashi E, Ohnishi T, Takayama Y, Matsuda H, Uchiyama M, Okawa M, Takahashi K, Fukuyama H
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Journal Title
J Appl Physiol 98(5)
Pages: 1846-1854
Description
「研究成果報告書概要(欧文)」より
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