2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹細胞の増殖・分化因子の同定とRNA干渉による神経細胞への分化誘導
Project/Area Number |
16659390
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田渕 和雄 佐賀大学, 医学部, 教授 (50116480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 哲也 (株)ソニーコンピューターサイエンス研究所, 研究員
香畑 智彦 佐賀大学, 医学部, 助手 (50380762)
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Keywords | 神経幹細胞 / Pleiotrophin / RNA interference / SELDI-TOF mass spectrometry / Pritein Chip |
Research Abstract |
神経幹細胞は自己増殖能と多分化能という性質を併せ持っているが、その制御機構についてはいまだに不明な点が多い。本研究はSELDI-TOF mass spectrometry (Protein Chip)を用いて神経幹細胞の増殖および分化を制御する因子を同定することを目的としている。まず、神経幹細胞の増殖に関与する分子機序の解明を行うために、マウス胎仔脳(E14)よりneurosphere法により、神経幹細胞を分離培養した。自己増殖脳の確認のため、βIII tublinやanti-04、GFAPなどの出現を免疫細胞化学染色で確認した。培養上清中に含まれる微量蛋白質をSELDI-TOF mass spectrometry (Protein Chip)を用いて検出した。NIH3T3細胞等のマウス体細胞上清中に認められない蛋白質ピークを同定しpeptide mass fingerprinting (PMF)法で同定を行った。この方法により、神経幹細胞の培養上清中にはPleiotrophinが存在すること見出し、この蛋白質が神経幹細胞の増殖に関与していることが示唆された。この一連の研究成果をDevelopmental Brain Researchに論文として報告した。(Furuta M, Shiraishi T, Okamoto H, Mineta T, Tabuchi K, Shiwa M : Identification of pleiotrophin in conditioned medium secreted from neural stem cells by SELDI-TOF and SELDI-tandem mass spectrometry. Developmental Brain Research 152:189-197,2004.)現在、RNA interference(RNAi)法を用いて、この遺伝子をノックダウンし、神経幹細胞に及ぼす影響を研究中である。また生体哺乳類で神経幹細胞が局在している海馬顆粒細胞層や前脳の脳室下帯の脳組織から、蛋白質を分子量や等電点などで分離し、神経幹細胞の増殖を指標に増殖因子を推定し、同様のプロテオミクス解析を用いて同定を行っている。
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