2019 Fiscal Year Annual Research Report
In order to build a research infrastructure that linked to for the study of "living creatures memorial service", "anything memorial service" in Japan
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16H01760
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
相田 満 国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (00249921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 明弘 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (00277865)
堀 誠 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (20157051)
山田 奨治 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20248751)
関 いずみ 東海大学, 海洋学部, 教授 (20554413)
永由 徳夫 群馬大学, 教育学部, 教授 (30557434)
藏中 しのぶ 大東文化大学, 外国語学部, 教授 (40215041)
陳 捷 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (40318580)
白 雲飛 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 客員研究員 (40770003)
原 正一郎 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 教授 (50218616)
石井 行雄 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (60241402)
安保 博史 群馬県立女子大学, 文学部, 教授 (60271483)
梅川 通久 文部科学省科学技術・学術政策研究所, 第1調査研究グループ, 上席研究官 (80372548)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生き物供養碑 / 文字供養碑 / GIS / Open Street Map / 馬頭観音 / 台湾 / 動物供養 / 惜字炉 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は以下の目標により研究を進めた。 (1)データの追加と重点を絞った調査・分析:山梨県・長野県・東京都を中心に調査を進めた。その際、地域的特徴がある長野・甲府の両善光寺、富士五胡周辺や東京都多摩地区の馬頭観音、関東地区の橋供養碑等の分布調査をコロナ禍による制限を遵守しつつ可能な限り行い、位置情報と碑文の記載情報、沿革記事の入力を進めた。 (2)海外調査:桃園空港―台北線の開通により、沿線に残される日本統治時代の供養碑調査を進めた。また、中国出身の研究分担者・白の調査により、日本人では難しい西安・北京等の医療・動物実験施設内の供養碑取材が出来た。 (3)生き物供養と何でも供養の連関性の研究:台湾に於ける獣魂・畜魂碑の悉皆調査と日本の特定地域における獣魂・畜魂碑、蚕供養碑、橋供養碑、馬頭観音等の調査精度を高めることが出来た。これらのデータを指標に、供養碑の連関性についてある程度の分析に入る準備ができた。 (4)データベースデータの追加と UI の向上:生き物供養碑topic map5を公開した(塚数2,911)。位置情報表示に使用してきたGoogleMapはGoogle社の仕様変更で、2018年7月以降、28,000件/月超アクセスで表示不能になるようになった。本データベースも同様で、月初で6時間後には表示不能となり、アクセスの多寡を計る指標には有効だが、このままでは実用にならないため、Ver4以降は国土地理院地図とOSM(OpenStreetMap)を併用、Ver5以後は陸域と水域で色を違えて表示する機能を付加した(有ID,PWD)。また、パスワード不用な現バージョンは塚数2,216のVer2を公開しており、以降はID・PWDを要する。これは、過去データとの比較・検証用のためで、今後も続ける予定である。なお、『古事類苑』の入力は研究分担者の山田が『器用部』入力を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により、調査地や補助者の勤務状況に制限がかかり、遠隔地や県境を越えた調査が出来なくなり、当初に掲げた全県調査が不可能となってしまったことが最大の理由である。しかしながら、東京都に草木塔や虫供養塚に於いて最古と最新の供養碑があることが判明、さらには国内全域から人が集まってきた歴史を持つ所故の特色有る供養碑を多数発掘できたことが望外の成果であった。また、併せて、文献調査を進めていく内に、中国の四川省が文昌君信仰に於いて特色有る遺物を多く残していることが分かった。残念ながら近1~2年の内の調査が可能かは不明だが、文教政策が浸透し、中央政府に多くの人材を輩出しつつも、三本足の烏の遺物出土で有名な三星堆遺跡に代表される蜀国以前の文化・風俗の名残を残すというアンバランスな風土は、精査することにより、日本文化の古層を探るという点で、今後の発展性に大きな可能性を残すといえる。その意味で、研究の進捗状況としては概ね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍により予定していた全県踏査・海外調査には、遂行に暗雲が立ちはじめた。このまま代替の方法で研究を遂行するか、研究期間を延長するかの判断の分かれ目は7-9月間となるだろう。なお、今年度に発表予定の国際学会は軒並み次年度に延長された。そのため、成果公開についても多少の遅れが出ることも予測される。そのため、確実にデータを発信できる媒体としてはデータベースや電子媒体によるものといえるが、査読を経ての公開についても、確実な結果が出るのは次年度を俟たなくてはならないのが現状である。 ただし、本研究成果を国際学会で発表した際、具体的かつ膨大な物証がどのように文学や物語に繋がるのかという査読意見が出されたことを受ける必要があることを通観した。そこで、文学研究のスキームを高めることにより、物証や実証データを基にした文学研究者の視点による研究スキームの再構築を最後のまとめとする会合と研究成果のとりまとめに取り組むことを以て最終成果としたい。 具体的には、その目的のためのヒントは、これまでに蓄積されたデータからも発掘・整理が可能なので、各員それぞれにデータベースを使ってもらいつつ新たな発見に取り組んでもらうことを期待し、次なる研究テーマへの種を養ってもらいたい。
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Remarks |
「生き物供養碑 topic map5」は最新試行版のために、"ID:aida01,PWD:aida01!"で検索可能。なお、「生き物供養碑」でヒットする無印公開版は、 http://tmap1.topicmaps-space.jp/kuyo/ にてヒット。
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Research Products
(9 results)