2016 Fiscal Year Annual Research Report
マルチオミクス指標を用いた児の健康影響評価法と胎児期からの新しい予防医学の確立
Project/Area Number |
16H01781
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森 千里 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90174375)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花里 真道 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (00608656)
江口 哲史 千葉大学, 予防医学センター, 助教 (70595826)
櫻井 健一 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (80323434)
鈴木 規道 千葉大学, 予防医学センター, 特任准教授 (90724849)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 胎児期環境 / 健康影響 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では母体ポリ塩化ビフェニルPCBs 蓄積量やその他妊娠中母体環境要因(マクロ環境要因)と母児のエピゲノムや腸内細菌叢、メタボライト、生体内パスウェイ(生体内因子)などの生体指標および生後の児の発育状態の関連を複数のオミックスを組み合わせた解析によって明らかにし、 胎児期からの次世代の健康予防医学モデルの構築および児の健康リスクを検出するバイオマーカーを創出することを目的とする。本年度は、血清PCB測定、腸内細菌叢析、血清メタボローム解析を行った。PCB測定およびメタボローム解析は、約100例、腸内細菌叢解析は約50例を対象として行った。血中PCB濃度とこれに関連するメタボローム変化を同定し、PCBが生体に及ぼす影響を代謝面から検討した。この結果についてはすでに論文として報告している。母体腸内細菌叢の解析においては、妊娠前期と後期での変化について予備的に検討したが、明らかな傾向は見られなかった。今後より詳細な統計学的検討を行う。また、DNAメチル化解析に関しては、組織からの抽出したDNAの品質が悪かったため抽出条件の検討を行った。抽出DNAの品質が良好であることを確認し、一部について網羅的な解析を行った。本年度は、様々な生体試料を用いてオミックス解析を含めた、分析を行うことを計画していた。DNAメチル化解析など一部で遅れを認めるもののそれ以外ではデータの集積が進んだ。次年度以降、これらの関連を統計学的に解析するとともに必要に応じて解析サンプル数の増加を行っていく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画において、本年度はPCB測定、腸内細菌叢解析、メタボローム解析、DNAメチル化解析を行い今後の解析の基礎的なデータを得ることとなっていた。PCB測定、腸内細菌叢解析、メタボローム解析に関しては、ほぼ計画にそって進捗しており、すでに解析を行う準備が整っている。一方、DNAメチル化解析に関しては担当するポスドクの採用が順調に行えなかったこともあり、進捗に遅れを認めた。また、解析に用いる臍帯DNA抽出法に関しても、いくつかの問題点が生じ、その解決に時間がかかってしまった。そのため、網羅的DNAメチル化解析に関しては一部の解析にとどまることとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度はほとんどの解析でデータが得られたので、次年度はこれらの結果の関連を解析することにより胎児期あるいは新生児期の健康状態に影響を及ぼす環境因子を同定する。また、進捗に遅れを認めるDNAメチル化解析に関しては、平成29年度に採用する特任研究員により解析を進める計画となっている。組織からのDNA抽出法に関しても問題点は解決しており、DNAメチル化解析に関しても計画の推進は可能と考えられる。
|
Research Products
(8 results)