2016 Fiscal Year Annual Research Report
電力市場活性化のための需給予測型取引戦略とリアルタイム取引実験環境の構築
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16H01833
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
山田 雄二 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (50344859)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧本 直樹 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (90242263)
倉橋 節也 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (40431663)
山口 順之 東京理科大学, 工学部電気工学科, 講師 (50371224)
高嶋 隆太 東京理科大学, 理工学部経営工学科, 准教授 (50401138)
後藤 順哉 中央大学, 理工学部, 教授 (40334031)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | ファイナンス / 電力市場 / 市場取引実験 / 市場シミュレーション / 統合リスク管理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は，当該研究テーマに関する基礎と研究の土台を構築することを念頭に，1. JEPXスポット市場および先渡市場の価格予測手法と入札関数推定のための数値最適化手法の提案，2. 模擬電力市場実験のための初期システム作成，3. 容量市場メカニズムの検討，4. 電力市場取引シミュレーションの基礎システム構築を行った．
1については，まず，研究代表者山田を中心に，JEPXスポット価格を原資産とする先渡の価格付け手法の構築を行った．本手法は，現在，取引頻度が少ない先渡の取引価格指標を与えるもので，先渡取引を活性化する上で重要な役割を果たすことが期待される．また，入札関数推定については，研究分担者後藤を中心に，GAMの一種であるスプライン回帰を切片冪関数に基づく過年度の実装方法からBスプラインに基づくものへと変更した．その上で，多変量のスプライン回帰を考え，それに対し変数選択を行うための連続最適化の新しい方法の提示と予備的な数値実験を行い，いくつかのデータセットで，既存のl1型変数選択に基づく結果を改善する結果を得た．2については，研究分担者山口を中心に，集中電源とデマンドレスポンスを模擬する初期実験システムを構築した．その際，システムの制御系についての理論的な検討として，都市型マイクログリッドを例とした連系点電力一定制御ブロックを作成した．3については，研究分担者高嶋および牧本を中心に，卸電力価格が不確実な状況下における電源投資への容量市場の影響について分析するモデルを構築し，容量価格と投資タイミングとの関係を導出した．4については，研究分担者倉橋を中心に，1)電力市場の両面性をモデル化することで供給者と需要者およびアグリゲータの役割を分析し，2) 電力先物市場のモデル化の基礎となるスポット市場のシミュレーションモデルのプロトタイプを設計・実装した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験およびシミュレーションに関しては準備段階であるが，背景となる理論の構築については順調に研究が進んでおり，研究目的については，②おおむね順調に進展している，といえる．
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| Strategy for Future Research Activity |
JEPXスポット・先渡の価格予測については，停止インデックスを作成し，予測モデルの精緻化を図るよう進展させる．また，新たな観点として，卸電力取引所に対する非化石価値取引市場設置の影響について，市場均衡モデルを用いることにより分析を行うことを検討している．市場取引シミュレーションについては，スポット市場における需要量と供給可能量を外生的に与え，各エージェントはこれらの変数と相関をもつように入札価格を決定し取引を行うことで，供給予備力のスポット価格に対する影響を検証することを試みる．模擬電力市場実験システムを利用した検証については，想定電力需要に対して必要電力を卸電力市場に入札し，未約定分を保有発電設備で補うと想定した模擬電力市場取引実験を実施する予定である．さらに，結果の普及のため，国内外での発表を積極的に行い，研究内容をさらに発展させていく．
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