2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neural mechanisms of variability judgment: Investigation of functional mechanisms of the brain that overcomes the environment with variability
Project/Area Number |
16H01866
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
宮崎 真 静岡大学, 情報学部, 教授 (30392202)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門田 宏 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (00415366)
竹内 成生 上武大学, ビジネス情報学部, 准教授 (10329162)
関口 浩文 上武大学, ビジネス情報学部, 教授 (20392201)
山田 祐樹 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (60637700)
中澤 公孝 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90360677)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 変動 / 乱雑さ / 不確定性 / ベイズ推定 / 知覚判断 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳機能測定による研究は,平成30年度まで繰越して実施した.脳波(EEG)による研究では,視覚パタンの乱雑さ判断と濃さ判断(統制課題)のあいだでの事象関連電位(ERP)の比較 (Miyagi et al. & Miyazaki. 2017, Soc Neurosci) に加えて,乱雑度の高いパタンに対するERPと乱雑度の低いパタンに対するERPの比較を行った.その結果,乱雑度の高いパタンに対して,より大きな活動を示すERP成分が認められ,右後頭側頭部のPO8におけるERPの潜時約210 msの陽性ピークでの活動差が顕著であった.この結果に基づき,視覚パタンの乱雑さ判断を遂行中の参加者のPO8に経頭蓋磁気刺激(TMS)を施したところ,乱雑さ判断の変容が認められた. 心理物理学的測定による研究では,乱雑な視覚パタンに比べて整列した視覚パタンの方が呈示時間が長く感じられることを報告した (Sasaki & Yamada. 2017, i-Perception).また,VRを用いた実験により,バイク搭乗中の速度感における感覚統合は平均化効果として生じることを明らかにした (Ueda et al. & Miyazaki. 2017, Soc Neurosci).この平均化効果は感覚間のベイズ統合(感覚変動の影響を最小化する最適統合)によって説明可能である.また,多観察効果と呼ばれる時間間隔弁別の精度向上効果が Prediction のみによって生じ,Postdiction によっては生じないこと (Kuroda et al. & Miyazaki. 2018, Front Hum Neurosci),また,その一方で,Prediction と相互作用することによりPostdiction による多観察効果が現れること (吉岡ら, 宮崎. 2017, 日本神経科学大会) を明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの脳機能測定による研究により,視覚パタンの乱雑さ判断の関連脳部位 (機能的磁気共鳴画像, fMRI),関連脳活動時間帯 (脳波, EEG) を特定し,経頭蓋磁気刺激 (TMS) による機能阻害実験による関連脳部位の機能因果性の検証にまでいたっている.また変動性 (乱雑さ/不確定性) に関わる新たな心理物理学的現知見も得られており,研究の進捗は順調と判断される.
|
Strategy for Future Research Activity |
乱雑さ判断中のfMRIやEEGデータについて解析を更に進め,論文として刊行していく.TMSによる研究については,さらに追加実験/統制実験を推進し,その成果を学会で発表していく (金長ら & 宮崎. 2019, 日本神経科学大会発表予定).心理物理学的研究では,変動性 (乱雑さ/不確定性) に関わる実験を更に進め,本研究推進のための指針となる基礎知見を拡充していく.また仮説にとらわれない探索的アプローチによる研究も実施し,全く新たな心理物理学的現象の発見も目指す.
|
Remarks |
・時事通信2017年7月20日配信 『音や振動で速く感じる効果=バイク実験、安全技術にも―静岡大』 ・日経産業新聞2017年8月4日8面 『エンジン音・振動を変えると…バイクの速度錯覚 静岡大とヤマハ発 VR装置で実験 スピード抑制技術に道』,ほか:科学新聞2017年8月11日6面,中日新聞2017年8月4日朝刊16面,中日新聞2017年7月21日朝刊30面,静岡新聞2017年7月20日夕刊2面
|
Research Products
(20 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 自閉スペクトラム症者における皮膚およびスティックラビット錯覚課題2018
Author(s)
和田真, 井手正和, 池田華子, 佐野美沙子, 田中有, 鈴木繭子, 東江浩美, 金樹英, 西牧謙吾, 深津玲子, 中島八十一, 宮崎真
Organizer
第41回日本神経科学大会 (採択)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-