2016 Fiscal Year Annual Research Report
中国における習近平時代の労働社会――労働運動をめぐる法・政治・経済体制のゆくえ
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16H01898
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石井 知章 明治大学, 商学部, 専任教授 (90350264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸谷 義治 琉球大学, 法文学部, 准教授 (10643281) [Withdrawn]
藤川 久昭 青山学院大学, 法学部, 教授 (30286223)
山下 昇 九州大学, 法学研究院, 教授 (60352118)
梶谷 懐 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (70340916)
鈴木 賢 明治大学, 法学部, 専任教授 (80226505)
阿古 智子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80388842)
早川 智津子 佐賀大学, 経済学部, 教授 (90451492)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 労使関係 / 労使紛争 / 労働条件 / 雇用 / 非正規労働 / 労働安全衛生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28 年度は、5月に研究組織内部ミーティングを明治大学にて開催した。4 年間の研究の進め方について協議し、問題関心のすり合わせを行い、それぞれの分担事項についての研究計画について意見交換した。会議では、今後共同研究を進めるうえでの共通文献の収集・解析、関連文書の収集・解析についても討議した。各人の調査のための分担金を配分し、それぞれの職場において関連資料の購入、収集、分析を行った。その成果のいくつかは、すでに研究代表者、研究分担者らの2016年度の研究業績に示されている通りである。この東京でのミーティングの結果を踏まえて、同じ5月に研究代表者が北京を訪れ、今後4年間の研究計画について、中国側の研究分担者3名からブリーフィングを受け、なおかつ日本側の研究計画についても相互に検討しあった。 さらに9月4~9日、今年度の計画の主な活動としていた中国華南地方(香港、深セン、広州、湖南省調査)への現地調査を、研究代表者、および研究分担者合計6名で行った。主な訪問先は、労働力(Worker Empowerment)、新工芸工友服務中心、段毅弁護士、深セン市春風労働争議服務部、広州市映諾社区発展機構、湖南省攸県の炭鉱付近の農村、香港のGlobal Monitor (GM), Hong Kong Confederation of Trade Unions (HKCTU) , Labour Education and Service Network (LESN) 、Human Rights WatchとAmnesty Internationalなどである。現地調査全体を通して、最近の中国国内における厳しい人権状況について、貴重な資料、情報を得て、その結果を内部報告書にまとめた。集団的労使紛争をめぐる広東のウォルマートのケースについて、今後調査チームとして研究に取り組んでいくこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者各人が進めている文献調査以外で、28年度最大の共同研究活動は、香港、深センを含めた中国華南地方への現地調査であった。その成果の概略は以下の通りである。まず、「労働力」(Worker Empowerment)への訪問では、同NGOの活動についてブリーフィングを受け、中国国内の出稼ぎ労働者センターを通して、深センと東莞で繰り広げている闘争的活動、中国当局からの弾圧の中身について聴取した。深センの新工芸工友服務中心では、これまで抱えてきた労働案件での訴訟の過程、当局による弾圧を受けてきた経緯、財政的にも厳しい状況にあることを理解した。広東における労使紛争の多くの案件を扱っている段毅弁護士との面会では、集団的労使紛争をめぐる厳しい状況についてブリーフィングを受け、とくにウォルマートにおける労使紛争のケースについて、貴重な例外的事案について理解した。さらに市春風労働争議服務部への訪問では、最近の広東における労働NGOの活動状況、および個別案件で抱えている諸問題についてブリーフィングを受けた。さらにこのNGOとともに活動している労働者数名と面会して、勤務会社(工場)の移転をめぐる案件について、具体的紛争の厳しい状況について聴取した。深セン市内の映諾社区発展機構への訪問では、政府の支援を受けたNGOの主な活動についてブリーフィングを受けた。湖南省の攸県の調査では、厳しい労働条件を強いられている農民工の現状を理解することができた。さらに香港の国際人権団体への訪問では、最近の活動内容をめぐる中国政府との厳しい対立状況について理解することができた。最近の中国国内における厳しい人権状況についてもブリーフィングを受け、とくにネットの情報管理について、お互いの意見を交換できた。以上の調査で得られた情報は、すべて明治大学現代中国研究所が内部の報告書としてまとめ、研究分担者全員と共有した。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度の文献調査、現地調査によって得られた経験、情報、分析に基づいて、29年度は中国の第一線で活躍する研究者らとの国際シンポジウムを東京(明治大学)で開催し、研究チームによる研究活動を広く社会的に共有するとともに、中国の研究者との討議・研究をさらに深める。 すでに2017年5月20・21日の開催が決定しているが、その概略は以下の通りである。タイトル:第3回日中雇用・労使関係シンポジウム――非正規時代の労働問題、参加者:本研究プロジェクト代表者、研究分担者、さらに日本の非正規労働分野での最前線で活躍している研究者ら18名、および中国からの研究者約10名、および一般聴衆約150-200名。日時・場所:2017年5月20-21日、明治大学グローバルホール。 なお、この公開シンポジウムの提出論文だけでなく、討議内容もすべて編集してまとめ、1冊の出版物(報告書、あるいは論文集)として広く社会的に共有する。なお、このシンポジウムの開催、および報告書の編集作業は、おもに現代中国研究所があたることとする。 さらに年度末には、東京(明治大学)で共同研究会を開催予定である。
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Remarks |
本科研費の一部を利用して、外部委託にてHPを作成し、シンポジウムの開催などのたびに、随時情報を更新している。
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Research Products
(8 results)