2019 Fiscal Year Annual Research Report
啓蒙期の知的公共圏におけるフィクション使用の形態・機能研究
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16H01907
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 渉 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20314411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 敏郎 獨協大学, 外国語学部, 准教授 (20624662)
大崎 さやの 東京藝術大学, 音楽学部, 講師 (80646513)
隠岐 さや香 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (60536879)
久保 昭博 関西学院大学, 文学部, 教授 (60432324)
後藤 正英 佐賀大学, 教育学部, 准教授 (60447985)
菅 利恵 三重大学, 人文学部, 教授 (50534492)
武田 将明 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10434177)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 啓蒙 / フィクション / 18世紀 / ヨーロッパ / 思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果は、理論的研究と歴史的研究に分けられる。 理論的研究の成果として、以下の3点が挙げられる: 1)フィクション理論における意図概念の検討:フィクションと意図との関係について、いわゆる仮説的意図主義をめぐる論争を詳細に考察した。意図概念の位置づけについては、主として文学研究・解釈理論のなかで議論がなされてきたが、そうした議論を参照しつつ、思想史研究において求められる意図の概念を検討した。2)対話ジャンルの概念に関する考察:このテーマの研究が最も盛んなのはフランス文学・思想の分野である。シェフェールによるジャンル理論を踏まえつつ、古典期対話テクストの継承、ジャンル規範の共有と逸脱といった問題について考察を深めた。3)フィクション概念と物語概念の接続:啓蒙は陰謀論のようなナラティヴに対抗するナラティヴとして登場し、そのための戦術としてフィクションが使用されたともとらえうる。両概念の関連について考察を進めた。 歴史的研究の第一の成果、対話ジャンルに関連する。フォントネルの刷新した対話ジャンルが、ゴットシェートによる翻訳や理論的考察を経てドイツ語圏に紹介される経緯を詳細に検討した。(国際18世紀学会における報告)。もう一つの成果として、グロシンガー書簡に関する研究が挙げられる。従来の研究では状況証拠からのみフィクションと認定されてきたこれらの「書簡」が実際にはメーゼンの創作にほかならないことを明らかにすることができた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)