2020 Fiscal Year Annual Research Report
高精細3Dデータ検証による東アジア四千年の青銅工芸・彫刻の造形美と技術の通史研究
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16H01918
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
三船 温尚 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (20181969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宮 千佳 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (10454125)
長柄 毅一 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (60443420)
村田 聡 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (70219921)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高精細3D計測調査 / ポリゴンデータ解析 / 原型施文 / 鋳型施文 / 分鋳法 / 鋳接法 / 材料特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国には4千年以上の鋳造工芸、彫刻の歴史があり、製品の種類とその表現を可能にした高度な鋳造技術があった。製品の造形的な表現がまずあり、それを実現するための鋳造技術が知恵と工夫にによって築きあげられていった。鋳造工程は、原型制作、鋳型製作・鋳型焼成・熔解・注湯・仕上げ研磨の順に進むが、それぞれの作業は当時、入手できる材料を用いて手作業で加工したことは間違いない。そして、その技術や製品は周辺に波及した。これらの鋳造技術が近代にいたる通史として解明されているかと言えば、長い研究史がありながら確定的な結論に至っていない。研究が進まない理由は、多くの製品だけでなく鋳型も出土し検討資料が増加しているが、正確で微細な形状が客観的に提示できなかったためいわゆる研究の共通言語が不在であったことと、現代にかろうじて残っている伝統的鋳造技術が近年失われ、鋳造痕跡の原因を正確に読み取れなくなっていることである。 科学的な客観的な形状は、多くの青銅器を3D計測したポリゴンデータで研究者自身がカラー解析図を作成し論文で提示した。痕跡検討は、当該研究代表者が伝統的鋳造技術で作品制作を続けてきた経験を生かしている。この2つの手法は特徴的であるが、特にポリゴンデータ解析は、当該分野の研究では初めてであり、研究者が解析図を作成する例は他の遺物研究においても前例がない。高精細のポリゴンデータを用いた鋳造技術研究は、これまでにない深い考察が可能になり、多くの成果をあげた。 青銅器の製作研究は、器体本体、取手などの部品、文様や銘文を別々に研究するのではなく、全ての技法が1器の製作全工程に矛盾なく収まるか否かを基準に考察した。部品については痕跡を客観的に提示して接続方法を確定した。微細な文様や銘文については形状を客観的に提示したうえで考察した。こうした成果をあげられたのは高精細3D計測を研究に取り入れたからである。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)