2017 Fiscal Year Annual Research Report
人口・復興・地方創生――「人口減少社会」論の構築に向けて
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16H01991
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡辺 達徳 東北大学, 法学研究科, 教授 (20230972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 重規 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (00292657)
嵩 さやか 東北大学, 法学研究科, 教授 (00302646)
飯島 淳子 東北大学, 法学研究科, 教授 (00372285)
岡部 恭宜 東北大学, 法学研究科, 教授 (00511445)
北島 周作 東北大学, 法学研究科, 教授 (00515083)
稲葉 馨 東北大学, 法学研究科, 教授 (10125502)
姥浦 道生 東北大学, 工学研究科, 准教授 (20378269)
伏見 岳人 東北大学, 法学研究科, 准教授 (20610661)
犬塚 元 法政大学, 法学部, 教授 (30313224)
水野 紀子 東北大学, 法学研究科, 教授 (40114665)
坂田 宏 東北大学, 法学研究科, 教授 (40215637)
島村 健 神戸大学, 法学研究科, 教授 (50379492)
巻 美矢紀 上智大学, 大学院法学研究科, 教授 (90323386)
宇野 瑛人 東北大学, 法学研究科, 准教授 (00734708)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環境法 |
Outline of Annual Research Achievements |
「人口減少社会」に関する基礎的・横断的研究の遂行という本研究の目的に沿って、平成29年度は、前年度に個別研究班が行った分析をもとに、海外研究者を含む学外の研究者を招いた研究会を開催することを通じて、全メンバーによる意見交換、研究進捗状況の確認と今後の課題を共有することに努めた。研究会において特に注目したテーマは、東日本大震災における社会資本の役割、私人間における障害を理由とする差別の禁止、個人の自立を支援する行政の法的統制などである。 その上で、それぞれの個別研究班において、上記の研究会において得られた知見をも組み入れつつ、平成29年度に予定された研究が以下のとおり進められた。 すなわち、基礎理論班においては、前年度までの検討を展開させ、人口の概念の再定位を検討した上で、人口減少社会を論ずるための理論的枠組みを提示するための検討を行った。また、制度班においては、人口減少社会への対処としての食い止め策と課題対応策との関係を整序し、体系的な制度設計の方向づけを試みた。さらに、政策班においては、前年度に行われた研究をもとに、人口減少社会の問題の所在と構造を把握した上で、問題の進行状況や問題の所在を異にする諸都市の特性をも十分に考慮に入れながら、条件不利地域・地方都市・三大都市圏という類型化を意識しつつ、フィールドワークも含めた研究を進めた。 各研究者による研究成果は、後掲「研究発表」のとおりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、前年度に個別研究班が行った分析をもとに、必要に応じて学外の研究者を招いて意見を聴取し、討論を行った結果をも踏まえて、融合的な分析・検討やフィールドワークを行うことを目標としていた。 各研究者は、後掲「研究発表」に示すとおり、各個別研究班に与えられた固有のテーマはもとより、平成30年度への研究継続を見越して、各テーマの分析・検討に資するための裾野を広げ、ないしは各テーマの研究を下支えするための研究成果の発表に精力的に取り組んだものと評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、これまでに蓄積された個別研究班における調査・検討の成果をもとに、包括的な理論・制度・政策論を視野に入れたテーマに取り組む。具体的には、以下のとおりである。 基礎理論班においては、制度的分析と実証的調査を踏まえた上で、実務に耐えうる理論的枠組みの構築を目指す。制度班においては、現場の知恵と工夫をも勘案した上で、具体的な諸制度を相互に有機的に連関づけながら、法的枠組みの全体像を探究する。政策班においては、以上に積み上げられた成果をもとに、実効性と一貫性を具えた政策提言を模索する。 なお、平成28年度及び29年度の経験から、海外調査や学外研究者を招いての研究会・セミナー等の開催が、本研究に参加するすべての研究者にとって貴重な知見として還元されることが明らかであることに照らし、平成30年度も、必要に応じて、海外調査や研究会・セミナーの開催を引き続き行いたいと考えている。 その上で、本研究全体として、理論・制度・政策論を視野に入れ、領域横断的な「人口減少社会」論の構築に向けた研究成果を公することを目指す。
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