2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study of Asian Countries' Bilateral Relations with China: An Approach from the Four Factor Model
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16H02004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高原 明生 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 教授 (80240993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小嶋 華津子 慶應義塾大学, 法学部(三田), 准教授 (00344854)
園田 茂人 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (10206683)
板垣 博 武蔵大学, 経済学部, 教授 (20125884)
田中 明彦 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (30163497)
加茂 具樹 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (30365499)
丸川 知雄 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (40334263)
松田 康博 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (50511482)
藤原 帰一 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90173484)
川島 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90301861)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 政治学 / 現代中国研究 / 地域研究 / 政策過程 / 国際関係論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、転換期を迎えた日中関係の動因を分析し、他国と中国との関係の動因と比較することによって日中関係の特性を明らかにするところにある。先行研究は安全保障や外交、経済や内政など、各領域内の時系列的分析に留まりがちだったが、本研究では一定の枠組みの下に諸領域の要因を総合的かつ系統的に解明する。そして、日中関係研究を日中間の研究対話の枠組みからグローバルな文脈に乗せ、他国と中国との関係の研究および他国での日中関係研究とリンクする。 この目的に照らして、本研究の初年度であった2016年度には、まず異なるディシプリンの研究分担者を糾合した全体会合を3回開催し、4つの要因からのアプローチという研究手法に関する認識の共有に努めた。先行研究において明瞭な方法論が欠如していたのは、そもそも二国間関係をどのように定義するかという出発点からして難しいからだ、という事実が改めて確認された。まずはそれぞれの領域での日中関係について研究を進め、それと同時に他国で対中二国間関係を研究している研究者たちとの連携を樹立するという年度目標を設定した。 それに基づき、各人が自分の属する班のテーマに沿って研究を独自に進めたほか(その充実した成果は業績表に示されている)、中国の国内政治と日中関係、日中間の海洋問題などをテーマとした国際研究集会を開催した。 さらには、本プロジェクトの海外連携研究者を東京に招き、「対中関係のアジア間比較」をテーマとする国際ワークショップを開催した。残念ながら健康上の理由で韓国の研究者は来日できなかったが、ベトナム、フィリピン、インドネシア、シンガポール、台湾から研究者が集まり、各国における対中関係研究の状況を学ぶとともに、本プロジェクトにおける共通の分析枠組みとなる4要因モデルについての理解を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトのポイントは転換期を迎えた日中関係の動因を分析し、他国と中国との関係の動因と比較することにある。したがって、初年度において、4年間のプロジェクトを進めるうえでの基礎となる、海外連携研究者との絆をがっちりと築くことができたのは大きな収穫だったと言える。 カギとなった国際ワークショップの他にも、合わせて4件の国際研究集会の開催により、海外の研究者たちとのコネクションを広げることができたのも初年度に見られた重要な進展であった。初年度に本プロジェクトが主催ないし共催して国際研究集会は以下の通り:①2016年6月11日~12日「国家統治と二国間関係:日中学術対話」於東大法学部3号館;②2016年12月16日「日中英海洋問題研究討論会」於東大法学部3号館;③2017年2月11日「対中関係のアジア間比較国際ワークショップ」於東大東洋文化研究所;④2017年2月27日「日露中国研究対話」於東大法学部3号館。 ただ、4要因モデルそのものをどう精緻化していくかという課題は、依然として存在している。四つの班を合わせた合同研究会においても、二国間関係とは何か、それぞれの領域における日中関係をどのようにとらえるか、そこに働く要因を如何に分析するのか、研究対象時期をどう定めるのかなどの基本的な問題をめぐって議論したが、なかなか明晰な結論に達していない。それらについては、個別の領域における研究をそれぞれの班が進め、知見と洞察を深めた上で、討論を重ねていくほかはない。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の第一回国際ワークショップの成功の基礎の上に、今年度は2回のワークショップを開催することに焦点を置く。 本年度第一回のワークショップは、ベトナムのハノイに於いて2017年10月上旬に開催する予定である。すでに、海外連携研究者である、ベトナム外交学院のタン・ハイ・ド研究員から、同学院の許可も得たという報告を受けている。 テーマは、当初は国内政治要因とする計画であったものの、その後、共産党一党支配体制の下にあるベトナムで国内政治要因を議論することの困難が指摘された。特に、ベトナムにおいては反政府勢力と反中国勢力が同調する傾向がみられることから、国内政治と対中関係の相互作用の解明は非常に重要ではある。しかし、ベトナム外交学院のワークショップの主題としては敏感に過ぎることから、国際環境と安全保障要因を主要テーマとすることに決定した次第である。 本年度第二回のワークショップは、インドネシアのデンパサールに於いて2018年2月上旬頃を目途に開催する予定である。海外連携研究者であるエヴィ・フィットリアニ教授が所属するインドネシア大学と、デンパサールのウダヤナ大学が共催し、経済要因を主要テーマとする予定である。インドネシアと中国の関係においては、インドネシア経済において隠然たる勢力を有する華僑華人が中国との経済交流に最も熱心であり、経済と国内政治の間に微妙な関係が存在している。 経済と政治のみならず、四要因の間の関係が研究の対象であることから、たとえ主要テーマからははずれていたとしても、各班それぞれがこの2回のワークショップに向けて研究を深めることが本年度の課題となるのは言うまでもない。
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Research Products
(73 results)
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[Presentation] 経済発展と中国政治2016
Author(s)
高原明生
Organizer
孫文生誕150周年記念特別講演会基調講演
Place of Presentation
兵庫県公館(兵庫県・神戸市)
Year and Date
2016-11-11 – 2016-11-11
Invited
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[Presentation] 日台関係的現状及其発展趨勢2016
Author(s)
松田康博
Organizer
天津社会科学院日本研究所 南開大学日本研究中心
Place of Presentation
天津、南開(中華人民共和国)
Year and Date
2016-10-27 – 2016-10-27
Invited
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