2016 Fiscal Year Annual Research Report
不確実性と多元的価値の中での順応的な環境ガバナンスのあり方についての社会学的研究
Project/Area Number |
16H02039
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮内 泰介 北海道大学, 文学研究科, 教授 (50222328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 礼子 立教大学, 社会学部, 教授 (80301018)
丸山 康司 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (20316334)
西城戸 誠 法政大学, 人間環境学部, 教授 (00333584)
鬼頭 秀一 星槎大学, 共生科学部, 教授 (40169892)
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90235846)
佐藤 哲 総合地球環境学研究所, 研究部, 教授 (10422560)
三上 直之 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (00422014)
山本 信次 岩手大学, 農学部, 准教授 (80292176)
松村 正治 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 准教授 (90409813)
菊地 直樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (60326296)
笹岡 正俊 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (80470110)
鈴木 克哉 北海道大学, 文学研究科, 共同研究員 (80447896)
福永 真弓 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (70509207)
富田 涼都 静岡大学, 農学部, 准教授 (20568274)
田代 優秋 和歌山大学, COC+推進室, 特任助教 (90467829)
浜本 篤史 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80457928)
岩井 雪乃 早稲田大学, 平山郁夫記念ボランティアセンター, 准教授(任期付) (80507096)
安田 章人 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (40570370)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 合意形成 / プロセス・デザイン / 社会評価 / レジリエンス / 地域環境史 / 自然再生 / 環境社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多くの不確実性をかかえ、多元的な価値が存在する現実社会の中で、いかに環境ガバナンスの構築を実現させるか、その要件を多数の事例における社会学的調査から積み上げ式に明らかにし、さらにそれに基づく政策提言を行うことを目的としている。具体的には、自然資源管理、野生生物管理、再生可能エネルギー、災害・復興といった多様な事例について、地域に分け入った詳細な調査を行うことによって、ボトムアップでの環境保全に求められる諸課題を抽出してモデル化し、そこから政策提言を行うことを企図している。 平成28年度は、4回の研究会を行った。第1回研究会は、研究代表者から研究全体のフレームワークについて提案したあと、3名のメンバーからプロジェクト全体にかかわる報告がなされ、議論が行われた。第2回および第3回研究会は、それぞれ「開発と環境ガバナンス」「自然再生と環境ガバナンス」というテーマのもとで開催した。うち、第3回研究会では、保全生態学分野でめざましい研究を進めつつある専門家をゲストスピーカーとして招聘し、報告をいただいたのち、議論を行った。最後の第4回研究会では、メンバー全員がそれぞれの研究の進捗状況と今後の予定について報告し合い、その中から、共通するテーマについて議論を行った。 一方、研究メンバー各自においては、1年を通じ、自然再生、開発問題、再生可能エネルギー、獣害対策などのテーマで調査を進めた。 これらの調査・研究会の遂行により、多元的な価値の中でどう環境ガバナンスを構築するかについて、鍵となるテーマが多く見いだされ、またそれらについてのフィールドにもとづく知見が蓄積しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに順調に進んでいる。4回の研究会を行うと同時に、各自あるいはグループによる調査を進めてきた。4回の研究会では、それぞれの調査フィールドからの報告と議論がなされ、さらに関連分野のゲストスピーカーによる報告も受け、多元的な価値の中での環境ガバナンスについて、知見が蓄積されつつある。動画や報告ファイルをネット上で共有し(https://junnno.jimdo.com/ なお、このページは公開されている)、いつでもプロジェクト内で参照できるようにして、問題意識や手法の統合を進めている。一方各分担者や研究協力者はそれぞれに調査を進めてきた。研究は順調に進んでいると言ってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、個人やグループでの調査を積極的に進め、また、研究会を積み重ね、その知見を共同研究内で蓄積する方向を続ける。必要に応じてゲストスピーカーを交えたワークショップも組み合わせながら、研究のフレームワークをより高次なものにしていく。知見は蓄積しつつあり、重要な洞察も生まれつつあるので、それらをうまく統合させながら、さらに知見を蓄積させるよう、全体のコーディネートに努める。さらに、シンポジウム開催やウェブサイトの充実により、社会との接点をもって共同で知見を深めていく。 また、本研究のアウトプットとして、英語の図書および日本語の図書の出版を企図する。
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