2019 Fiscal Year Annual Research Report
環境制御型高速3次元力顕微鏡による界面分子吸着構造の分子スケール解析
Project/Area Number |
16H02111
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
福間 剛士 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 教授 (90452094)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 水和構造 / 分子吸着構造 / 分子スケール計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では3次元走査型力顕微鏡(3D-SFM)の高速化や環境制御機能の付加に取り組み、従来観察できなかった3次元界面構造の観察を実現することを目標としている。これまでに、既存の3D-SFM装置のHDDをSSD6台の並列接続(RAID0)に置き換えることで、データ転送速度の上限を格段に向上させ、さらに、ガス置換機能付きの密閉型環境制御セルを設計・製作し、揮発溶媒中での計測や不活性ガス中での計測を可能とした。本年度は、このようにして開発した3D-SFM装置の性能を実証するために、以下の研究に取り組んだ。まず、高速3D-SFMにより純水中で溶解するカルサイト表面において、ステップ端近傍の3次元水和構造観察を行い、ステップ端近傍に形成される遷移領域とその上に形成される特殊な3次元水和構造を直接可視化することに成功した。また、この研究に関連して、上記の遷移領域の速度や幅、高さなどの結晶方位依存性などを詳細に調べ、論文として報告した(J. Phys. Chem. C, 2019)。 一方で、環境制御機能の検証ために以下のような実験に取り組んだ。自動車用冷却水の凍結防止を目的としてCTAB分子を用いることが検討されているが、そのメカニズムを調べるために、アルミナ表面におけるCTAB分子の吸着構造の溶液濃度依存性を、溶液置換機能を用いて調べた。その結果を基に、凍結抑制機能との相関を明らかにした。また、英国Durham Universityの研究者と共同で揮発性溶媒分子であるエタノールを含む溶液中でHOPG上に形成される分子吸着構造および3次元水和構造の観察に取り組み、有機分子の自己組織化構造形成に与える溶存イオンの影響について議論した(Nanoscale 2020)。これらの成果により、本研究で開発した高速かつ環境制御機能を有した3D-SFMの機能性を実証することができた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)