2017 Fiscal Year Annual Research Report
Deaths of Massive Stars and Supernova Explosions Revealed by High-Cadence Wide-Field Observations
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16H02158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
諸隈 智貴 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (10594674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 望 甲南大学, 理工学部, 教授 (00550279)
板 由房 東北大学, 理学研究科, 助教 (30392814)
酒向 重行 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90533563)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 可視光 / 広視野観測 / 突発天体 / 超新星 |
Outline of Annual Research Achievements |
口径1.05m東京大学木曽シュミット望遠鏡に取り付ける広視野カメラTomo-e GozenのCMOSセンサの読み出しエレクトロニクスの再設計と製作を実施した.また,予定していた全個数のCMOSセンサの調達を完了した.センサを位置決定するための高精度固定ブロックの製作を実施した.H30年2月に,CMOSセンサを21チップ搭載したTomo-eカメラユニットを木曽シュミット望遠鏡に設置してファーストライト観測に成功した. 本カメラを用いた広視野探査観測,特に超新星爆発の超初期の検出に最適化したシミュレーションを行った.複数の研究会において行なった議論を元に,現実的な探査観測パラメータの洗い出しを行い,当初の予定通り,およそ10,000平方度を1晩の間に3回程度の反復観測を行えることが確認できた.これにより,当初の目的であった超新星ショックブレイクアウト現象の探査が今後実際に行う価値があることが確実となった. 超新星理論モデル構築については,伴星との相互作用によって外層を激しく剥ぎ取られた超新星の光度曲線・スペクトルを元素合成計算に基づいて計算し,そのような超新星爆発がどのように観測可能なのかを予言した.さらに,これまでに観測された超新星とも比較を行い,Caギャップトランジェントと呼ばれる超新星の一部や超新星2010Xの観測的特徴と一致していることを示した.また,このような近接連星系は将来中性子星合体を起こす可能性も指摘した. 近赤外精密測光カタログ作成のため,口径30mmモニター専用近赤外線望遠鏡で取得してきた観測データを全て処理した.クオリティの均一性チェックを行った所,いくつかの領域について観測条件が悪い時にとったデータであることが判明した.それらの箇所について再観測を行い,そのデータの処理も終えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年度前半に読み出しエレクトロニクスのデジタル部のデータ転送エラーが頻発する問題が明らかになった.実験室での基礎試験に戻って原因を調査,再設計したところこの問題を解消することができた.迅速に問題解決に至ったため本研究の進行に影響していない.
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Strategy for Future Research Activity |
H30年度に他研究費の寄与により本研究の当初計画を上回る63チップのCMOSセンサを搭載した視野15平方度のカメラに拡張する予定である.また,超新星の爆発初期を検出するために高頻度で全天サーベイを実施し,突発現象を自動検出する統合ソフトウエアの開発を行う. これまで,一般的な超新星爆発の理論モデルに基づいたTomo-eテスト観測の観測計画を練ってきたが,近年の高頻度観測によって多様な超新星爆発が観測されている.それぞれの理論モデルに基づいて、どのような戦略でTomo-eテスト観測を遂行すればよいか検討を行う. 近赤外精密測光カタログの作成を行う.カタログを用いてレッドクランプ星の絶対光度を導出する等の初期成果を得て,カタログと共に査読付きの欧文誌に論文を投稿する.その他,明るさが時間変動する天体の変動の様子をとらえる観測を継続する.
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Research Products
(25 results)