2019 Fiscal Year Annual Research Report
Searching for new physics beyond the standard model with four dimensitonal caloriemter
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16H02184
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南條 創 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (40419445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 公志 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (40648036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | カロリメータ / K中間子稀崩壊 / MPPC |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度にMPPCのインストールを予定通り終了し、2019年2月から4月にかけて実際のK中間子ビームを用いてデータを取得した。MPPC自体の放射線損傷についてはデータ取得中に暗電流の増加をモニタし、当初の想定より10倍大きいことがわかった。即座にK中間子ビーム中の中性子を用いた加速試験を行い、KOTO実験の想定するビーム量においても、最終的に性能が担保できることを示した。また、データ取得中の性能の安定性もモニタし、問題がないことも確認した。その後、K中間子の3π0崩壊などを用いてカロリメータのエネルギー較正、タイミングの較正を行い、4次元カロリメータとして機能できるようにし、信号事象選択と背景事象削減の研究を進めた。カロリメータで6個のクラスタを要求することでK中間子の3π0崩壊を選択でき、π0を再構成できる2個のガンマ線の組みを、カロリメータでのガンマ線事象サンプルとした。また、ビーム中にアルミニウム標的を挿入し、ビーム中の中性子を意図的に散乱させることによる、擬似中性子背景事象データも取得した。この2種類のデータを用いることで、今回の4次元カロリメータでのガンマ線事象の選択効率と、中性子背景事象の削減率を評価した。中性子背景事象の削減には、すでにカロリメータでのクラスタ形状と、出力波形を用いている。この手法との相関を考慮の上で、4次元カロリメータ手法により、さらに1/20の大きな背景事象の削減が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおりカロリメータを完成させ、K中間子ビームによる性能確認を行い、期待以上の性能を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
高い背景事象削減能力を示すことができたので、この4次元カロリメータを用いた素粒子新物理の探索を本格的に行う。また、中性子事象のより効率的な削減が可能となったことで、そのほかの背景事象の研究においても、中性子事象の寄与がより少ないサンプルを作ることができ、実験解析全般において、より信頼性の高い評価が可能になる。この観点でも、4次元カロリメータの応用を広げていく。
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Research Products
(12 results)