2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neutron lifetime measurement using pulsed neutron beam at J-PARC
Project/Area Number |
16H02194
|
Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
三島 賢二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別准教授 (20392136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 瑞樹 九州大学, 先端素粒子物理研究センター, 准教授 (20401317)
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 特任教授 (60272465)
角野 浩史 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (90332593)
北口 雅暁 名古屋大学, 現象解析研究センター, 准教授 (90397571)
関場 大一郎 筑波大学, 数理物質系, 講師 (20396807)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 中性子寿命 / 中性子崩壊 / ビッグバン元素合成 / CKM行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
中性子の寿命はビッグバン元素合成を知る上での重要なパラメーターである。中性子の寿命は中性子数と単位時間当たりの崩壊数を数えるビーム法と超冷中性子を蓄積してその崩壊時間を測定する蓄積法の2種類が存在するが、値が8.4秒(4σ)ずれており喫緊の問題となっている。本実験はこの問題を解決すべく既存の実験とは異なる手法によって中性子寿命の精密測定を測定を行うものである。2018年度の進捗を以下にまとめる。 1) 中性子寿命の物理測定: 2018年前期に40日程度の物理測定を行った。ビームパワーは400-500 kWであり統計は5秒程度となった。現在本実験の最初の結果を導出すべく解析を進めている状況である。 2) ビームライン: 中性子ビームを40cmのバンチにするためにスピンフリップチョッパーを用いているが、この大きさが統計量を律速しているため、この大型化を進めている。大型ミラー配置をシミュレーションから計算したところ想定よりもバックグラウンドが大きくなることが判明したため、バックグラウンドを抑える設計をシミュレーションで求め、5倍のビーム量増加を得られる条件を算出した。合わせてスピンフリップチョッパーの設計を行うための計算環境の整備を行った。 3) ASICアンプ開発: 現在使用しているアンプの発熱が系統誤差の要因となっているため、発熱が1/50であるASICアンプを開発している。読み出し回路の設計し、実用のアンプボードの作成が完了した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
統計精度5秒に到達したが、目標精度(1秒)に到達するためにはビーム輸送系の改良が必要である。そのための大型中性子ミラーを設計していたが、シミュレーションから計算したところ想定よりもバックグラウンドが大きくなることが判明したため、設計変更を強いられた。バックグラウンドを抑える設計をシミュレーションで求め、バックグラウンドを抑えつつ5倍のビーム量増加を得られる条件を算出した。
|
Strategy for Future Research Activity |
J-PARCのビームパワーは当初の想定の500 kWに到達し、安定してデータの取得が行われた。統計精度としては第一段階として予定していた5秒に到達した。現在、系統誤差の評価と合わせ解析を行っている。 今後、目標精度1秒に到達するためにビーム光学系の大型化とハードウェア、ソフトウェア両面から系統誤差を抑制していく予定である。
|
Research Products
(12 results)