2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H02667
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
柏倉 幾郎 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00177370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 仁 弘前大学, 医学研究科, 教授 (10438228)
三浦 富智 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (20261456)
千葉 満 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (20583735)
細田 正洋 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (30457832)
岩岡 和輝 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 助教 (70466051)
床次 眞司 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 教授 (80247254)
山盛 徹 北海道大学, 獣医学研究科, 准教授 (00512675)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 被ばく医療 / 放射線防護剤 / 被ばくマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は下記の4点について検討した。 ①事故後の迅速な線量評価をシミュレーションからアプローチするための数値ファントムの設計、②6 Gy程度まで照射線量を段階的に変え、各曝露線量に応じた国内承認医薬品の効果の検討、③個体由来血清等生体試料中分子のマイクロアレイ解析や質量分析法に成分の定量、変動解析、④IRSN及びAFRRI担当者との情報交換及び過去の放射線被ばく事故と治療例の情報収集。 その結果、①は研究分担者の床次らの研究グループが担当し、生体ファントムを用いて設計に着手し一定の成果を上げた。②については、国内承認造血薬のアンサー、セファランチン、ロイコン及びロイコプロールそれぞれを用いて、7 Gy照射マウスへの投与実験を行ったところ、照射コントロールは照射後2週間以内から個体の死亡が確認され、30日生存率は25%となった。一方、セファランチン、ロイコン及びロイコプロールの12時間毎3日間の投与で30日生存率がそれぞれ、100%、75%、及び100%まで改善され、新たなプロトコール確立に向け大きな成果が得られた。③については、マウスへの0.5~5 GyのX線照射後直後及び24時間後の心採血で得られた血清からRNAを抽出しマイクロアレイ解析を行ったところ、線量依存的に増加と減少を示すmiRNAが幾つか認められた。さらに増減したmiRNAの発現を総当たりで相互の比を求めたところ、高い直線性を示す組み合わせを幾つか見出した。然しながら、再現性に問題が認められた為、学内の遺伝子解析を専門とする研究者の協力を得て、個体毎に採血した少量の血液からのアレイ解析を試みたところ、照射によって遺伝子発現プロファイルが異なることが見出され、現在さらなる解析を進めている。④については、過去の放射線事故と治療例の情報収集を実施し、それらの成果を論文に纏め、現在専門誌へ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度の研究計画は下記の4点である。 ①事故後の迅速な線量評価をシミュレーションからアプローチするための数値ファントムの設計、②6 Gy程度まで照射線量を段階的に変え、各曝露線量に応じた国内承認医薬品の効果の検討、③個体由来血清等生体試料中分子のマイクロアレイ解析や質量分析法に成分の定量、変動解析、④IRSN及びAFRRI担当者との情報交換及び過去の放射線被ばく事故と治療例の情報収集。 ①は、研究分担者の床次教授らの研究グループが担当し、生体ファントムを用いて設計に着手し一定の成果を上げ、現在投稿準備中である。②については、国内承認造血薬のアンサー、セファランチン、ロイコン及びロイコプロールをそれぞれ用いて、7 Gy照射マウスへの投与実験を行い、照射コントロールは照射後2週間以内から個体の死亡が確認され、30日生存率は25%となった。一方、セファランチン、ロイコン及びロイコプロールの12時間毎3日間の投与で30日生存率がそれぞれ、100%、75%、及び100%まで改善され、ロミプロスチムに加え新たなプロトコール確立に向けた成果となった。③については、マウスへの3 GyのX線照射後24時間に個体毎に採血した少量の血液からのRNA抽出後にアレイ解析を試みたところ、照射によって遺伝子発現プロファイルが異なることが見出され、当初想定した以上の成果に繋がる可能性が見られた。④については、過去の放射線事故と治療例の情報収集から多くの情報の集積に繋がり、これらの成果を論文に纏め現在専門誌へ投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は下記の4項目について検討する予定である。 ① 過去の放射線被ばく事故等などを参考に緊急被ばく状況をパターン化し、それらにおける人体の吸収線量をシミュレーションから評価し、その結果について過去の文献と比較検討する ② >6 Gyの高線量での致死回避に最適な国内承認医薬品カクテルの探索と効果の検討 ③ 個体由来血清等生体試料中分子のマイクロアレイ解析や質量分析法に成分の定量、変動解析 ④ 薬物療法で致死を回避出来た個体の長期間飼育を開始し,変動する生体内分子の探索を実施
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] 低線量γ線照射による細胞遺伝学的線量評価用線量応答曲線の作製.2016
Author(s)
阿部悠, 三浦富智, 吉田光明, 氏家里紗, 黒須由美子, 柳亜希,津山尚宏, 川村文彦, 藤岡来実, 稲葉俊哉, 神谷研二, 坂井晃.
Organizer
日本放射線影響学会第59回大会
Place of Presentation
JMSアステールプラザ(広島県広島市)
Year and Date
2016-10-26 – 2016-10-28
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