2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular epidemiology of virulence of microbiome considering host immune response
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16H02692
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ファガラサン シドニア 国立研究開発法人理化学研究所, その他, 研究員 (00391970)
二宮 利治 九州大学, 大学病院, 助教 (30571765)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50546471)
高田 英俊 九州大学, 医学研究院, 教授 (70294931)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 口腔マイクロバイオーム / 粘膜免疫 / 分泌型IgA |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、前年度に引き続き分泌型IgAが口腔マイクロバイオームの細菌種構成に及ぼす影響の解明を行い、加えて口腔の健康とSIgAの結合パターンの関連についても検討を行った。 【研究1】粘膜免疫能に異常のあるIgA欠損患者7名と、正常な健康成人10名の唾液の細菌構成を比較した。その結果、IgAの結合度が低いVeillonella atypicaやFusobacterium periodonticumの構成比率が、IgA欠損患者で有意に低くなっていることが明らかとなった。一方で、Prevotella melaninogenicaやHaemophilus parainfluenzaeはIgA結合度が高いにも関わらずIgA欠損患者で構成比率が有意に低くなっていた。この結果から、各細菌種によってIgAが果たす役割が異なる可能性が示唆された。 【研究2】平成24年に行った久山町の大規模疫学コホート調査の受診者のうち、歯周状態が良好な住民10名と歯周病の進行した住民10名を選出し、IgAの結合パターンと細菌構成を比較した。Unifrac距離を用いた主座標分析の結果、細菌構成はこれまでの報告同様2群で異なることが確認できた。また、唾液中のIgA量が、歯周病の進行した住民で増加していることも明らかとなった。一方で、IgAの結合パターンに関しては2群で顕著な違いは認められなかった。今後は対象者の人数を増やし、細菌種レベルにおけるIgA結合度と疾患の関連について検討を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり平成29年度久山町研究で唾液サンプルを採取したが、口腔診査のデータ入力に時間を要してしまい、サンプルの選出やマイクロバイオーム解析に移行できなかった。また、平成24年に採取したサンプルを解析し、凍結サンプルが問題なく解析に使用できることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、平成19年度と平成29年度に久山町研究で採取した唾液サンプルを用いて10年前向きコホート研究とし、分泌型IgAの機能と口腔マイクロバイオームが健康に及ぼす複合的影響について検討を行っていく。
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Research Products
(25 results)