2017 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムDNA転写開始活性の数理的構造を用いた制御領域リバースエンジニアリング
Project/Area Number |
16H02902
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川路 英哉 国立研究開発法人理化学研究所, 情報基盤センター, 開発ユニットリーダー (20525406)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | transcriptome / TSS / promoter / enhancer / epigenetics / nucleosome |
Outline of Annual Research Achievements |
近位・遠位より転写に影響を与えるプロモータ・エンハンサーのサブクラスを始めとする様々な 転写制御領域における転写開始活性の数理的構造を抽出する際の補完データとして、昨年度は転写開始・転写制御の構造的基盤に注目し、これを明らかにする高解像度ヌクレオソームプロファイルを得る準備を進めていた。本年度はこれに従い、細胞株からのデータ取得と、得られたデータの一次処理を実施した。この結果、想定どおりヌクレオソームのオープン・クローズ構造を明確にすることができた。一方、ヌクレオソーム構造のパターン抽出の観点からはさらなる改善の可能性を見出したことから、これを実現するための実験条件について更なる検討を行った。 またヌクレオソーム構造に加え、ヒストン修飾や転写因子の結合といったエピジェネティック要因も踏まえた数理モデルをも検討するため、公共データの二次利用法に関する検討と技術開発を実施した。エンハンサー領域が連続的に出現する領域(スーパーエンハンサー)が、細胞の転写制御を担う領域として注目されているが、これら領域における転写開始活性に着目し、その数理構造の検討を行った。 更に、昨年度までに収集したデータには存在しない、新たな転写開始活性プロファイルが共同研究を通じて得られている。これまでに検討を進めてきた転写数理構造について、これら新規データへの適用可能性や、改良の可能性について検討を実施した。 今後は、高解像度ヌクレオソームプロファイルに関するパターン抽出の改善、公共エピジェネティック・データの活用等を通じて、転写開始活性の数理構造抽出を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近位・遠位より転写に影響を与えるプロモータ・エンハンサーのサブクラスを始めとする様々な 転写制御領域における転写開始活性の数理的構造を抽出する際の補完データとして、昨年度は転写開始・転写制御の構造的基盤に注目し、これを明らかにする高解像度ヌクレオソームプロファイルを得る準備を進めていた。本年度はこれに従い、細胞株からのデータ取得と、得られたデータの一次処理を実施した。この結果、想定どおりヌクレオソームのオープン・クローズ構造を明確にすることができた。一方、ヌクレオソーム構造のパターン抽出の観点からはさらなる改善の可能性を見出したことから、これを実現するための実験条件について更なる検討を行った。 またヌクレオソーム構造に加え、ヒストン修飾や転写因子の結合といったエピジェネティック要因も踏まえた数理モデルをも検討するため、公共データの二次利用法に関する検討と技術開発を実施した。エンハンサー領域が連続的に出現する領域(スーパーエンハンサー)が、細胞の転写制御を担う領域として注目されているが、これら領域における転写開始活性に着目し、その数理構造の検討を行った。 更に、昨年度までに収集したデータには存在しない、新たな転写開始活性プロファイルが共同研究を通じて得られている。これまでに検討を進めてきた転写数理構造について、これら新規データへの適用可能性や、改良の可能性について検討を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、高解像度ヌクレオソームプロファイルに関するパターン抽出の改善、公共エピジェネティック・データの活用等を通じて、転写開始活性の数理構造抽出を試みる。
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Research Products
(1 results)